日々の習慣が「幸せ」につながる

 精神科医として長年の経験を持ち、多数の著書を出版してきた樺沢紫苑氏が「集大成的な1冊」と位置づける本書は、「幸せになる方法」を解説した実用書だ。

 本書で最初に言及するのは、ずばり「幸福とは何か」ということ。人が「幸せ」を感じるときに分泌される脳内物質に着目し、その内の「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」が「3大幸福物質」だとする。言い換えれば、この幸福物質を出すことが「幸せになる方法」であるという“解答”が示されている。その上で著者は幸福を、「セロトニン的幸福」(健康)、「オキシトシン的幸福」(愛や友情などの“つながり”)、「ドーパミン的幸福」(お金、成功)に分類し、健康→つながり→成功の順で幸せになるべきだと、科学的、論理的に説くことを試みている。

 「実用書」とするとおり、それぞれの幸福を手に入れるための実践方法を具体的かつ詳細に述べている。代表的なものを紹介すると、セロトニン的幸福を実現するのに有効なのは睡眠や運動、朝の散歩、オキシトシン的幸福はスキンシップをとることや仲間・ペットと交流すること、ドーパミン的幸福はお金や物に「感謝する」こと、スマートフォンやゲーム、飲酒などの娯楽を時間に制限を設けながら楽しむことなどだ。こうしてみると、幸福とは大きな目標を達成することで初めて得られるものではなく、日々のちょっとした習慣の積み重ねで感じることができるものだと理解できる。読了後には、幸福を手に入れるためいまの生活を見つめ直したくなる。(宙)
 


『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』
樺沢紫苑 著
飛鳥新社 刊(1500円+税)