▼初夏の気持ちいい陽気を楽しむ間もなく、日本列島は記録的な早さで梅雨入りしている。四国と近畿は統計開始以来最も早く、九州、中国、東海地方も2番目の早さだった。一方で関東甲信や北陸は平年並みだという。統計上は、梅雨入りが早くても梅雨明けが早まるとは限らない。せめて「五月晴れ(さつきばれ)」が多く見られることを期待したいといったところか。

▼本来、五月晴れは梅雨の晴れ間を指す言葉だ。しかし、今では文字通り梅雨に入る前の「5月のさわやかな晴天」という意味で使われることも多くなった。誤用が定着して言葉の意味が変わってしまうのは新しい文化につながる胎動の一つと見ることもできよう。眉を顰める気持ちも分からなくはないが、目くじらを立てる気にはならない。

▼ITの世界でも誤用が定着しつつある言葉は多い。こちらはITが社会で果たすべき役割に関わることもあるだけに見過ごしてはいけないケースもあると思っている。目下、あらゆるITベンダーのPRにキーワードとして割り込んでくる「DX」はその最たるものだ。単なるIT導入とは遠い位置にあるはずのDXの本質を常に忘れないようにしたい。(霹)