円滑な意思疎通を実現するために

 テレワークが広がり、コミュニケーションの取り方は以前と比べてがらりと変わった。これまでは、オフィスなどで直接、話していた同僚などとチャットなどで意思疎通する機会が増えた。
 

 顔を合わせていれば、言いたいことを伝えるのは、それほど難しいことではないだろう。一方、文章だけとなると、口頭で伝える以上に難しいと感じることがある。言葉が足りていなければ、内容はしっかり伝わらないし、言葉の使い方によっては、相手に悪い印象を与える可能性があるからだ。

 企業内カウンセラーとして長年の経験がある著者によると、不調やトラブルなど、働く人の悩みの9割は「身近な人間関係」の問題だと指摘。さらに、オンラインが主流になった今は、職場の人と会う機会が減り、意思の疎通ができずに悩む人の声をよく耳にするようになったという。

 本書は、「初対面」や「自己紹介」「上司・目上の人と話す」「部下と話す」など、計112シーンで言葉の使い方を紹介する。各シーンでは、「よけいなひと言」と「好かれるひと言」を併記し、それぞれの理由を詳しく解説する。

 同じ言葉でも、受け取り方は、その人との関係などで大きく変わる。本書が示す内容が必ずしも正しいとは限らない。しかし、いたずらに相手を傷つけたり、不快に感じさせたりすることは、働く上で得策ではない。大事なのは、受け取る側の気持ちをおもんぱかることだろう。チャットを送る前に、本書を参考にしながら、ちょっとした言い換えについて考えてみてもいいかもしれない。(鰹)


『よけいなひと言を好かれるセリフに変える働く人のための言いかえ図鑑』
大野 萌子 著
サンマーク出版 刊(1400円+税)