増大するデータ量に対応する未来像は

　スマホでTwitterにつぶやく。交通系ICカードで電車に乗る。ATMでお金を引き出す。私たちの日常の何気ない行動は、データセンターが支えている。銀行、製造業、医療、サービス業など、ありとあらゆる企業のシステムもデータセンターが稼働しないと停止してしまい、ビジネスは大混乱に陥り想像もつかない損失が発生するだろう。しかし「裏方」という役割の特性上、IT業界で働く人を除けばデータセンターの知名度は低く、存在自体を知らない人も多いかもしれない。

　本書では、ITインフラとしてのデータセンターの役割、建物の構造など基本情報から、事業者がデータセンターを選ぶ際の留意点となる災害リスクや堅牢性などの指標も解説。重要だが実際どんなものなのか分からない存在であるデータセンターの入門書だ。

　AI、IoT、ビッグデータなど、ITの技術革新は目覚ましく、それにともない取り扱われるデータ量も爆発的に増大。サーバーの増加に伴って、消費電力量すなわち発熱量が増大するコンピューターをどう冷却するのかが大きな課題になってくる。必須となる新たな冷却システムの在り方など、データセンターの未来像まで提示している。
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『改訂版　AI時代のビジネスを支える「データセンター」読本』
杉浦日出夫　著
幻冬舎メディアコンサルティング　刊　990円（税込）