検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第4回 ニッシンパル

2002/07/22 16:51

週刊BCN 2002年07月22日vol.950掲載

 パソコン関連商品の激安店ニッシンパル(小林和夫社長)が運営するネットショップは、既存店舗と同様、低価格を追求したサイトになっている。同社では、激安店がひしめく「価格.com」にサイトを掲載、価格を重視した消費者を取り込んでいる。しかし、単に価格のみで勝負しているわけではない。國枝知之・営業技術部係長は、「あるノートパソコンの価格を各ネットショップが25万円前後で提示していたら、価格を下げれば購入する消費者は増える。しかし、その製品が市場で品薄だったら、25万5000円と高めの価格でも売れる場合がある」と語る。「ネットでは、リアルタイムに価格が変動する。

価格変動に柔軟対応 適確な値付けがカギ

 細かく市場価格・売れ筋商品をチェックし、タイミングよく価格を表示することがカギ」と強調する。サイトでは、パソコンと周辺機器の商品名と価格を表示しているが、サイトで購入・決済できる機能は設けていない。消費者がサイトの商品を購入したい場合は、電話もしくはファクスで注文する。特徴は、翌日納期を徹底していること。「注文後、できるだけ早く商品を手にしたいというユーザーが多い。また、消費者が購入した時は当社のサイトが一番安くても、あとで競合店がより低い価格を提示する可能性がある。納期が1-2週間かかったとしたら、購入者のニーズに応えたとはいえない」からだという。パソコン本体は、翌日納品できる商品に「即」と表示をつけている。サイトで掲載するアイテム数は100アイテムを超えており、そのうち翌日納品できる商品が95%に達している。

 顧客本位の販売に注力することで消費者から信用を集め、アクセス数は、平日が2000ページビュー、週末が3000-4000ページビュー。ネット注文での売り上げ比率は全社売り上げの20%を占める。同社では、ネットショップを「チラシ」と位置づける。「対象顧客はパソコン上級者。だから製品機能の細かい説明などは省いている。安さを追求することと、消費者が欲しい商品を掲載することが重要だ」としている。02年度の売上高は、店頭販売が15%減の見通しだが、ネット注文は25-26%増を見込む。(佐相彰彦)
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外部リンク

http://www.nisshinpal.co.jp/