検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第11回 国際産業技術

2002/09/16 16:51

週刊BCN 2002年09月16日vol.957掲載

サイトで新規ユーザーを獲得

実店舗で信頼性を確保

パソコン専門店「コンピューターのおっと」を運営する国際産業技術(大瀬戸猛社長)は、インターネットの売上高がコンシューマビジネスの7割を占める。立花和昭専務取締役は、「インターネットにより、実店舗では取り込めなかった地方の消費者層を獲得できた」と話す。サイトでは、消費者の認知度を高めるために、良い商品を低価格で提供することに注力する。

アイテム数は、常時10万点以上ある同社の在庫のうち、厳選した商品を約1万点揃える。新品のパソコン関連製品に加え、中古品も充実していることが特徴だ。中古品のノートパソコンが新品と比べ2割程度安いことで人気が高い。注文は、電話やファクス、メールの形態をとる。納期は翌日納品から可能で、顧客の希望に合わせた発送を行う。1日の平均アクセス数は6000件で、上級者がサイトを訪れるケースが高い。そのため、購入者層は、上級者で7割を占める。

同社は、もともと法人や量販店などにパソコン関連製品を提供する卸業者として設立した企業だ。94年1月に通信販売を開始したことでコンシューマビジネスに参入した。97年からは、実店舗「コンピューターのおっと」の店舗展開を図った。現在では、直営コンピュータ専門店として、新品パソコン専門店をはじめ、中古販売店、Mac専門店、PCサーバー専門店、UNIX専門店など5店舗を構える。01年3月には、これまで通信販売を中心に行っていた部門を「ec営業部」と再編した。

ec営業部の社員は現在4人。実店舗と比べると、少ない人件費でビジネスを拡大してきた。実店舗の必要性については、「東京・秋葉原以外の地域で大型量販店が新規店舗を出店しているので、実店舗の顧客が減少したことは事実だ。だが、実店舗があるという信頼感でサイトの顧客が増えていることも事実」と強調する。中古品を扱っていることもあり、サイトを訪れる消費者のなかには、実店舗に訪れ、じかに商品をみて購入するケースもあるという。相乗効果により、厳しい市況下のなか、「今年4-6月は、前年並みの売上高を確保できた」としている。(佐相彰彦)
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