店頭流通

松下電器産業 DVDレコーダーの生産能力を月40万台に 世界シェア50%確保目指す

2004/03/22 16:51

週刊BCN 2004年03月22日vol.1032掲載

 松下電器産業(中村邦夫社長)は、デジタル家電の中核となるDVDレコーダーの生産能力をグローバルで月産40万台体制に引き上げる。家庭用の映像録画再生機として市場が急速に拡大しているDVDレコーダーだが、2004年はアテネオリンピックが開催されることもあり、世界的な需要拡大も加速するとみられる。このため、日本・欧州・アジアの各生産拠点の能力を高め、一気に世界シェア50%の確保を狙う考えだ。

 松下電器はこのほど、DVDレコーダーの新機種5機種を市場投入することを表明。これに合わせ各生産拠点の能力を拡充する。

 国内については、昨年末に需要急増で一時品薄状態になったことを踏まえ、主力の門真工場(大阪府門真市)の生産能力を月産15万台から同20万台に引き上げる。04年の国内DVDレコーダー市場は、前年比120万台増の340万台に拡大すると見込まれており、余力をもってシェア50%を確保できる体制とする。

 一方、海外ではDVDレコーダーを生産していなかったマレーシアで生産を開始するほか、ホームシアター用の特殊製品を製造していたシンガポールでも単体製品を生産する。アジア地区の生産能力は両拠点合わせて月産10万台。今後、米国市場などの動向をにらみながら、さらに体制を整備する考え。

 また、欧州地域についても、ドイツとスロバキアの生産能力を増強し、合計で月産10万台体制とする。欧州市場は、DVD+RW規格のフィリップスが強みをもつが、規格に対するユーザー側の関心は必ずしも高くなく、供給体制を整備することでシェア向上が図れるとの判断だ。

 今年のDVDレコーダーの世界市場は、1000万台に達するとみられる。今回の能力拡大で、松下電器の年間生産能力は480万台となるが、機動的に増産をかけることも可能なため、50%のシェア獲得は射程圏となる。中村社長は今年の年頭会見で、中国・大連でのDVDレコーダー生産に言及し、グローバルの月間生産能力を40万台とする考えを示していたが、大連を除いた地域で目標を達成できることになる。
  • 1