店頭市場ピックアップ

デジタルカメラの販売動向

2004/08/23 16:51

週刊BCN 2004年08月23日vol.1052掲載

ニコン「D70」強し

夏商戦で「イオスキス」上回る

 「D70」対「EOS Kiss Digital(イオスキスデジタル)」──。コンとキヤノンが販売する低価格デジタル一眼レフカメラの両機種。この夏商戦は、ニコンの「D70」がキヤノンの「イオスキス」を上回った。両製品は、価格10万円前後で購入できるレンズ交換式のデジタルカメラ。この分野の製品を販売しているのは、ニコンとキヤノンの2社のみだ。初心者でも容易に操作でき、20-40万円の価格が一般的な一眼レフデジカメに比べ、値頃感を打ち出している。

 図は、BCNランキング週次データをもとに、「D70」(ニコン)と、「イオスキス」(キヤノン)の直近2か月間の販売台数指数推移を表した(本体のみとレンズ同梱モデルの合計値の推移)。キヤノンは昨年9月、ニコンに先駆け「イオスキス」を投入。“コンパクト・スタイリッシュ”が主流のデジカメ市場に、「低価格で初心者でも扱える一眼レフデジカメ」という新たな市場を開拓。上級者層に加え、「10万円前後の価格帯に値頃感を感じて購入する初心者層もつかまえた」(ソフマップ)。発売日を含む週(2003年9月15-21日)のBCNランキング週次データの機種別順位をみると、金額ベースでいきなりトップに立った。

 一方、ニコンはキヤノンに遅れること半年、今年3月下旬に市場参入。トップシェアをキヤノンから奪った。これに対しキヤノンは、4月にブラックモデル、およびレンズを複数本同梱したセット商品を発売して攻勢をかけるなど、拮抗したシェア争いが続いている。売れ筋だった価格4-5万円のモデルの伸びが鈍化しているデジカメ市場だが、「買い替え、買い増し機種として一眼レフデジカメを視野に入れているユーザーは多い」(ソフマップ)。今後の成長が見込めるだけに、両社の販売戦略と未参入ライバルの動きに注目したい。
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