店頭流通

ベンキュージャパン 16倍速対応のDVDメディア発売へ ドライブも市場投入

2004/08/23 18:45

週刊BCN 2004年08月23日vol.1052掲載

 台湾の周辺機器メーカーであるベンキューの日本法人、ベンキュージャパン(シェーファー・リー社長)は、16倍速の書き込み速度に対応したDVDメディアを年内に販売開始し、DVDメディア市場に参入する。メディア販売に先駆け今月下旬に発売する16倍速の記録型DVDドライブには、期間限定でこのDVDメディア5枚を無料でバンドルするなどのプロモーション施策を行っていく。DVDメディアのOEM(相手先ブランドによる生産)供給も検討しており、売上高に占めるメディア事業の比率を昨年度(2004年5月期)実績の3%から、今年度(05年5月期)は5%に引き上げる考えだ。

 ベンキュージャパンのメディア事業は、これまでCD-R/RWメディアのみで、DVDメディアを手がけるのは今回が初めてとなる。

 年内に投入するDVDメディアは、DVD+R/RWと-R/RWの両規格に準拠したモデルで、書き込み速度16倍速に対応した。16倍速の記録型DVDドライブは市場にすでに登場しているものの、「他社のメディアでは16倍速の書き込み速度に追いつかず、エラーを起こすケースが多く、メディアが書き込み速度に対応できていない」(デイビッド・デン・セールス&マーケティングディレクター)という。

 同社が発売するメディアは、独自のエラー防止技術によって、「ほぼエラーのない状況で16倍速の書き込み速度に対応できる」(小倉三晴・セールス&マーケティングプロダクトマネージャー)ようにした。

 発売するメディアは、現在ではベンキュージャパンが販売予定のドライブでしか16倍速での書き込みに対応していないが、今後、競合他社製品のドライブにも対応できるよう製品開発を進め、年内にも販売を始める計画だ。

 DVDメディアの販売に先駆け、16倍速対応の記録型DVDドライブを8月下旬にも販売開始する。価格は1万9800円(税込み2万790円)。書き込み品質を向上させる新技術として、メディアの種類に応じて最適な書き込み条件を自動感知し書き込む技術などを搭載したことで、エラー発生防止機能を強化した。発売する記録型DVDドライブには、期間限定で16倍速のDVDメディア5枚を無料でバンドルし、拡販に弾みをつけていく。

 また、メディアについては自社ブランドでの販売だけでなく、OEM供給も検討しており、双方のビジネスで売り上げを伸ばす。これにより、昨年度で同社全体の売上高の3%程度だったメディア事業を、今年度は5%まで引き上げたい方針。

 記録型DVDドライブ市場で急速にシェアを伸ばしつつある16倍速モデルで、ドライブとメディアの両方を手がけることでブランド価値を高めるとともに、一気にシェア拡大へとつなげていく。
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