店頭市場ピックアップ

プログラミングソフトの販売動向

2004/09/13 16:51

週刊BCN 2004年09月13日vol.1055掲載

10gとVSの首位争い

年間ライセンス方式が奏功

 ソースネクストと日本オラクルが、1980円の低価格を“売り”に7月23日に発売開始したJava開発者用ソフトウェア「オラクルJディベロッパー10gワンイヤーリミテッド(10g)」が、プログラミングソフト部門の機種別販売本数シェアで週次のトップを獲得するようになった。直近の4週間のうち2週間では、マイクロソフトの.NET開発者用ソフト「マイクロソフトビジュアルスタジオ.NET(VS)」シリーズの各ソフトを抜き、トップシェアに踊り出ている。

 プログラミングソフト部門の昨年の年間ランキングでは、マイクロソフトがベンダー別販売本数シェアで80%を占めた。しかし、ここにきて10gが上位に食い込み始めてからは、マイクロソフトのベンダー別販売本数シェアも、60%台に急落している。8月16-22日の機種別販売本数シェアは、トップが10gで34.5%を占めた。この週の第2位は、大学生や専門学校生向けアカデミック版「VS1.0プロスポーク・プレニアム」で17.6%。10g発売以来、機種別販売本数シェアで10gとVSシリーズの両ソフトとの差が最も拡大した。直近の8月30-9月5日では、再び僅差でVSのアカデミック版が首位に立ったが、VSシリーズの主力ソフトで、これまで最も販売本数を稼いでいた一般向けの「スタンダード2003」シリーズが伸び悩んでいる状況だ。

 マイクロソフトは昨年5月、VSの新製品を発表する記者会見で、「.NET開発者数がJava開発者に並んだ」としていた。だが、10gの発売により、そのバランスが崩れた可能性が高い。10gは、日本オラクルが単独で発売したソフトだと10万円以上する。ソースネクストは、「これでは、個人やSOHOの開発者に導入が困難だ」と、年間ライセンス方式を採用して低価格化を実現した。ソースネクストの戦略が、広くユーザーに受け入れられているようだ。
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