店頭流通

ソフマップ 中古パソコンの商品化で、初のISO認証を取得 品質管理確立し市場育成へ

2004/09/13 18:45

週刊BCN 2004年09月13日vol.1055掲載

 ソフマップ(山科光男社長)は、中古パソコンの商品化に関する品質管理で「ISO9001」の認証を取得した。中古パソコン事業での取得は国内で初めて。山科社長は、「品質管理の国際規格認証により、中古パソコンの品質面でもソフマップのブランドロイヤルティを確立し、中古市場でのシェアを現在の20%から2-3年以内に30%まで高めたい」と、中古市場拡大の牽引役をめざす。

 中古パソコン市場は、昨年10月の「資源有効利用促進法」に基づく家庭向けパソコンリサイクルのスタート以来、新規参入が相次ぎ、今年度は1200億円の市場規模が見込まれている。一方、旧ユーザーのデータ消去などの再商品化手法に関しては、統一的な基準はなく、各社が独自に取り組んでいるのが実情。

 このため、「業界スタンダードとなる品質管理、生産性向上、商品化手法を確立し、ユーザーに信頼される中古市場を育成することが業界リーダーの責務」(山科社長)として、今回の認証取得に取り組んできた。

 8月30日に同社の中古パソコンの再生・商品化工場である東京・板橋の「東京商品化センター」と、大阪・茨木の「大阪商品化センター」の2か所で最終審査が実施され、両工場同時に認証取得した。

 中古パソコンの再商品化には、以前の所有者のデータをディスクから完全消去する作業や、故障、不良か所の再生など、複雑な作業工程が必要とされる。同社では今回、商品化センターで行ってきた「データ完全消去」、「OS再セットアップ」、「不良か所検査」、「付属品欠品検査」、「メンテナンス」、「クリーニング」などの工程を完全にマニュアル化。これにより、「誰が作業をしても、同一水準の品質が保たれる仕組みを完成させ、不良品やクレームの発生を極力縮小できる生産体制を整えた」としている。

 現在、同社の商品化センターの商品化能力は、パソコン本体で年間40万台、周辺・デジタル家電で70万アイテム、ソフトで200万アイテムと国内最大級。この生産性と店頭買い取りの調達力を生かして、発売から2年以内の中古商品が全体の71%と鮮度の高い品揃えを維持し、中古市場でトップシェアを獲得してきた。

 今回のISO9001認証取得を機に、フランチャイズチェーンの「U-FRONT」を来年度には120-150店舗に拡大し、中古市場でのシェアアップを目指す。さらに現在、アップルコンピュータ、ソニーと提携し、メーカー直販サイトから直接同社の買い取りサービスを利用できる買い取り提携などのアライアンス展開もISO9001取得の信頼感をテコに拍車をかける。
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