店頭流通

松下電器産業 デジタル家電、需要に対応 システムLSIの開発力強化

2004/09/27 16:51

週刊BCN 2004年09月27日vol.1057掲載

 松下電器産業の社内カンパニーである半導体社は、デジタル家電需要の拡大でシステムLSIの戦略性が高まるのに対応し、ソフトウェア技術やシステム設計などの強化を進める。このほど開発したデジタル家電向けシステムLSIの統合プラットフォーム「UniPhier(ユニフィエ)」の商品展開に合わせ、携帯電話やパーソナル、自動車、家庭の各種AV(音響・映像)機器向けのシステム技術者を松下電器グループ内外を問わず拡充するとともに、技術力を有する国内外ベンチャーとの連携も深め、デジタル家電分野でのプレゼンスを高めたい考えだ。

 統合プラットフォーム「ユニフィエ」は、これまで製品ごとに存在した技術的隔壁を取り除き、ソフトやハードの資産を共有することで、開発の短期化・効率化・低コスト化を図ることを目的としており、開発効率は従来の製品ごとの場合に比べ5倍以上に高まるとしている。

 これまで蓄積してきた基礎的ノウハウをベースとし、最終的な味付けとなる機能などの面を目的に応じてカスタマイズするため、拡大が予想されるデジタル家電に新規参入するメーカーなどへの外販も見込まれている。

 松下電器では、2003年1月から事業ドメインを明確にし、戦略単位とする体制をスタート。システムLSI開発についても、最終製品開発部隊との人的交流を進めてきているが、製品サイクルの短期化が進むなかで、システムLSIの戦略性が一層高まることが予想される。このため、半導体社にあるプロセス技術やLSI設計技術力に加え、システム技術力の強化を進める。

 ユニフィエ搭載製品は05年上期から順次発売する方針で、当面は既存の生産拠点で対応する。05年末には富山県の魚津第2工場も稼動の予定で、ユニフィエの開発思想に基づいた製品の生産も増えてくる。これに対応するため、開発部隊についても松下電器内部のほか、即戦力となる外部からの採用も進め、体制の拡充を図る。また、新たな技術を取り込んでいくためにも、独創的な技術を有するベンチャー企業との連携も国内外で積極化させ、デジタル家電分野のシステムLSIに関するプレゼンスを高めることを目指す。
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