全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>46.東京・町田(上)

2004/10/04 18:45

週刊BCN 2004年10月04日vol.1058掲載

 JR横浜線と小田急線の町田駅周辺は、「小田急町田店」や「東急まちだ店」など大型百貨店が立ち並んでいるほか、昔ながらの飲食店や洋品店が店を構える「原町田商店街」があり、若者から高齢者まで幅広い層が訪れる街だ。

パーツショップ、新規客開拓が急務

 また、JR町田駅南口前にヨドバシカメラの「マルチメディア町田」、小田急町田駅西口の大型スーパー「西友町田店」内にソフマップの「ギガストア町田店」、原町田商店街内にサードウェーブの「ドスパラ町田店」などが出店。カメラ量販店のヨドバシカメラにパソコン初級者や上級者、パソコン専門店のソフマップに中級者や上級者、組み立てパソコン用パーツ専門店のドスパラに上級者やマニアが来店する傾向が強いなど、各店舗が特色を出してしのぎを削っている。

 しかし、町田地区のマーケットは、駅前の立地条件を生かしたヨドバシカメラが圧倒的な存在感を示しており、夏商戦でパソコンおよび関連機器の販売が厳しかったことも相まって、パソコン専門店やパーツショップが苦戦を強いられている。

 なかでも、パーツショップの場合、「町田地区には上級者やマニアが少ない」(ドスパラ町田店の宮陽介サブマネージャー)ことから、中級者以下のユーザーを多く獲得することが急務。「今後は、初心者をはじめとした新規ユーザー層を開拓することが売り上げを伸ばしていくカギ」(同)と強調する。

 ドスパラ町田店で拡販に力を入れているのは、自社ブランドのカスタマイズパソコン「プライム」だ。宮サブマネージャーは、「最近では、パソコンの買い替えユーザーで低価格の機種を購入したいという需要が増えている。そのユーザーを獲得する」とし、価格が3万9800円からのエントリーモデルをアピール。これにより、「中級者が購入する傾向が出てきている」という。

 また、初心者層を顧客にするため、マニアや上級者に合わせたパーツショップ特有の専門用語を羅列する接客だけでなく、パソコンの用途を提案する使い方の説明も接客に取り入れた。もともと、幅広い年齢層が訪れる原町田商店街に出店しているという立地条件から初心者が来店するケースも少なくなかった。このため、「パソコンの使い方を中心とした説明を熱心に聞く来店者が増え、購入に結びつくケースも出てきた」と、効果を上げているという。

 町田地区はここ1-2年、各店舗の顧客層がはっきりと分かれていたため、各店舗ともリピーターを確保していた。しかし、パソコンおよび関連機器での競争が激化しつつある。(佐相彰彦)
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