店頭流通

ドン・キホーテ秋葉原 オープン1か月で着々と顧客を確保 土日の来店者は平均1万7000人超

2004/10/04 16:51

週刊BCN 2004年10月04日vol.1058掲載

 ドン・キホーテグループのパウ・クリエーションが運営する東京・秋葉原電気街の複合商業施設「ドン・キホーテ秋葉原」が8月14日のオープン以来、着実に顧客数を伸ばしている。オープンから約1か月が経過した9月中旬には、1日平均の来店者数は土日で1万7000人を超えた。電気街にあるパソコン専門店や家電量販店の営業時間外である深夜営業は、売上高がオープン当初の1.2-1.3倍に伸びている。

 地下1階から地上8階までの売り場構成からなる複合商業施設「ドン・キホーテ秋葉原」では、2-4階部分に出店しているドン・キホーテの物販フロアだけで初年度の売上高を30億円と見込んでいる。9月に入ってからは、1日来店者数が平日で7000-8000人、土日で1万7000-8000人で推移している。同商業施設の運営責任者であるパウ・クリエーションの高橋誠司・東日本統括部係長は、「8月中は来店者数、売り上げともに、予想値に追いついてこなかった」という。

 しかし、ドンキ・ホーテ秋葉原の知名度が高まるにつれて、ビジネスマンや大学生、電気街のパソコンショップの店員が帰宅途中に来店するようになり、「予想通りの数値まで達した」と、深夜営業により顧客数を伸ばしている。

 電気街の多くのショップが店を閉めている午後9時から午前5時までの売上高は、オープン当初と比べ1.2-1.3倍に伸びているという。これまで、電気街にはなかった深夜営業という新しい文化が認められてきたことを証明する結果となっている。

 10月以降は、地下1階にパチンコ店、6-7階にアミューズメント関連のショップが出店する予定となっており、これで全フロアがオープンすることになる。複合施設化が実現することで、「さらに幅広い層が訪れるようになり、ますます来店者が増える」としており、電気街の集客アップにもつながるとみている。

 秋葉原は、JRの山手線や京浜東北線、総武線が停車するほか、地下鉄の日比谷線の駅もあり、全国でも有数の乗降客数を誇っている。来年以降は、駅前のIT拠点「秋葉原クロスフィード」がオープンすることや、来年9月に予定されているヨドバシカメラの出店、東京とつくば市を結ぶ首都圏新都市鉄道「つくばエキスプレス」が同じく秋に開業することなどで、集客がさらに高まる。

 高橋係長は、「来年早々には、電気街のさまざまなユーザーが楽しめる店舗として、ドン・キホーテ秋葉原を根づかせる」と、様々な客層を集める複合施設として定着させていく考え。新規店舗の出店や新しい鉄道の開通による利便性の向上などにより商圏が拡大するといわれる電気街の中心にあって、電気製品の購入客だけではない新規来店者の獲得を目指していく方針だ。
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