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画像処理ソフトの販売動向

2004/10/25 16:51

週刊BCN 2004年10月25日vol.1061掲載

エー・アイ・ソフトがアドビ抜く

手ぶれ補正付き低価格ソフトで

 画像処理ソフトウェア市場では、10月11-17日のメーカー別販売台数シェアで、エー・アイ・ソフトがアドビシステムズを抜いた。今年に入ってから、アドビが週ベースで首位を明け渡したのは、6月の2週だけ。両社は昨年に続き今年もデットヒートを繰り広げ、年間順位で、エー・アイー・ソフトがどこまでアドビを追い上げるかが注目される。

 「2学期制」が普及し、10月に“秋休み”を設ける学校が増えている。また、運動会など子供をカメラで撮影して画像をパソコンに保存する親が増える時期だ。最近の画像処理ソフトのほとんどは、「手ぶれ画像」の補正機能を搭載する。エー・アイ・ソフトが今年6月に発売した「デジカメde!!同時プリント8」(定価6800円)シリーズは実売で5000円弱で、アドビの競合ソフトに比べ約3分の1の価格で多機能。これが受けたのか、同シリーズは機種別販売本数シェアが10月各週で約2割を占めた。

 10月11-17日のメーカー別販売本数シェアは、トップがエー・アイ・ソフトで22.5%、2位がアドビの22.3%で、わずか0.2ポイント差で首位が逆転した。この週は、10月に発売された最新版「マイクロソフト・デジタル・イメージ・プロ10」が伸び、マイクロソフトがシェア12.5%となり前週の4位から3位に浮上している。機種別販売本数シェアでは、コーパスが今年6月に発売した「ピンぼけ・手ぶれレスキューVer.2」が、10月中に安定して上位10位以内をキープ。デジカメ画像だけでなく、携帯電話画像の補正にも優れたソフトとして“ケータイ世代”に販売本数を伸ばしている。

 アドビシステムズは11月1日、2年ぶりに「フォトショップ・エレメンツ」の最新版「フォトショップ・エレメンツ3.0」を発売する。デジタル写真を電子メールにきれいにレイアウトできる新機能などを搭載。初心者でも利用できる新フォトショップで、エー・アイ・ソフトを引き離しにかかる。
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