店頭流通

ロジテック AV家電関連分野に本格参入 売上高の20%規模の事業に

2004/11/15 18:45

週刊BCN 2004年11月15日vol.1064掲載

 ロジテック(星野雄之輔社長)は、事業拡大を図るためAV(音響・映像)家電関連事業に本格参入する。第1弾として、ブルートゥース対応の携帯電話ハンズフリーヘッドセット、さらにポータブルHDDプレイヤー「dvdjuke Pod」を12月に投入する。今後も引き続き製品ラインアップを拡充していく考え。将来は売上高の20%程度を占める事業に成長させる。11月2日付で丸紅インフォテックと丸紅はエレコムとの間で、ロジテック株式の譲渡について基本合意している。これまでのストレージを中心としたビジネスから新規事業分野への参入により、「ロジテック」ブランドの拡大を図っていく。

 同社はこれまでストレージ中心の製品開発・販売を行ってきたが、デジタル家電需要の拡大などのトレンドからパソコンとAV家電との連携はますます重要になるとして、AV家電関連製品への本格参入を図る。

 第1弾製品として投入する携帯電話ヘッドセットは、台湾メーカーからのOEM(相手先ブランドによる生産)調達。単に調達販売するのではなく、色など日本市場向けにカスタマイズした。11月1日に改正道路交通法が施行され、運転中の携帯電話使用には反則金5000-7000円、最高5万円の罰金刑が課せられる。このためハンズフリーに対するニーズの拡大は確実で、ブルートゥースを使った無線方式のヘッドセットを投入する。価格はオープンだが、市場価格は8800円程度を予想しており、無線方式のなかでは低価格で提供できるとしている。

 販売ルートは既存のパソコンショップや家電量販店だけでなく、カー用品店などの販路も開拓していく予定。

 HDDプレイヤー「dvdjuke Pod」は、パソコンで加工した画像や音楽などのデータをdvdjuke Podに落とし、USB2.0を介してデータをテレビに転送して見ることができる。DVDなどの場合、HDDに展開するとメニューの選択などの機能が失われる。dvdjuke Podは、画面上のメニューをそのまま活用できるのが最大の特徴。ただし、テレビ画像などを直接記録することはできない。あくまでAV家電関連のパソコン周辺機器として販売する。

 HDD容量は40ギガバイト、80ギガバイトの2種類。大きさは幅16×高さ80×奥行き132ミリメートルと小型で、出先でもテレビにつないで画像や音楽を楽しむことができる。価格はオープンで、店頭価格は40ギガバイトは3万円強を予想。今後は、300ギガバイト程度の大容量で据え置き型のHDDプレイヤーのラインアップも検討しているという。

 11月2日付で、丸紅インフォテックと丸紅は保有するロジテックの全株式をエレコムに譲渡することで基本合意。周辺機器業界再編の動きもあるが、成長が続くデジタル家電分野に対して事業参入しロジテックブランドの浸透を図っていく。
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