店頭流通

米ロジテック コードレスマウスを強化 ノートパソコン向けに拡大の動き

2004/12/13 16:51

週刊BCN 2004年12月13日vol.1068掲載

 米ロジテック(ゲリーノ・デ・ルーカ社長)は、ノートパソコン向けのコードレスマウスの品揃え拡充に力を入れる。マウスは、コモディティ(日用品)化による価格下落が激しく、収益確保が難しくなっている。このため、より付加価値の高いノート向けのコードレスの製品開発を進めて収益拡大を目指す。

 同社によれば、日欧米の主要市場でコードレスマウスの売り上げが拡大している。いまのところ、マウス市場全体のコードレスとコード付きの構成比(金額ベース)は約4対6で、コード付きの比率が依然として過半数を占めているが、「今後、ノート向けのコードレスマウス市場の急速な拡大が見込まれる。マウス市場全体の金額ベースの構成比は、ここ1年から1年半で逆転するだろう」(米ロジテックのアシシュ・アローラ・リテールポインティングデバイスワールドワイドプロダクトマーケティング部門ディレクター)と、ノートユーザーのコードレスマウス購入の動きが加速すると予測する。

 こうした市場の動きを受けて、ロジテックはノート向けコードレスマウスの製品強化に乗り出した。スクロールパネルと電波干渉が少ない2.4ギガヘルツ帯無線を採用したノート向けコードレスマウスを製品化。日本では2005年1月28日に販売を始める。スクロールパネルは、ノートパソコンなどで使われるタッチパネル式のポインティングデバイスと同じ構造で、スクロールに使うホイールはついていない。マウスでスクロールパネルを採用したのは「世界で初めて」(同)と話す。ホイールやコードなど突起物がないため、鞄に入れて持ち運びしやすい。

 同製品の国内販売価格は7480円で、マウスとしては高価な部類。「デスクトップに比べて割高のノートパソコンを購入するユーザーは、マウスも高級品を買う傾向が強い」(アローラディレクター)と、ノートパソコンユーザーの嗜好から購入は進むと考える。ノート向けコードレスマウスの製品強化によって、マウスのコモディティ化のなかで、収益拡大のカギになりそうだ。
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