店頭市場ピックアップ

携帯オーディオの販売動向

2005/01/31 16:51

週刊BCN 2005年01月31日vol.1074掲載

アップル、トップ返り咲き

フラッシュメモリタイプがけん引

 携帯オーディオ市場で、アップルコンピュータが再びトップシェアの座についた。

 けん引役は、1月15日に発売したフラッシュメモリ型の「iPod shuffle(アイポッドシャッフル)」だ。混戦模様だった携帯オーディオプレイヤー市場で、「iPod shuffle」の投入により、アップルが2位以下を大きく引き離した。

 図は、BCNランキングの週次データをもとに、メーカー別販売台数シェア上位3社の台数シェア推移を表した。アップルが「iPod shuffle」を発売する以前の1月3-9日の週では、アップルの台数シェアは13.1%で2位。だが、「iPod shuffle」発売日を含む1月10-16日の週は台数シェアが32.6%と急伸した。この週のデータでは、「iPod shuffle」の512MB、1GBモデルの両機種は製品別販売台数シェアで2位、3位を獲得しており、けん引役を担っていることを裏付けている。

 アップルの「iPodシリーズ」は、これまで容量やカラー別に数種類販売されているが、すべてハードディスク(HDD)タイプ。そのため、最下位モデルでも約2万8000円と競合メーカーの携帯オーディオプレイヤーに比べ高価だった。

 「iPod shuffle」はアップルが初めて手がけるフラッシュメモリを記憶媒体に使った機種で、値頃感があるのが特徴。取り込める楽曲数はHDDタイプに比べ少ないが、512MBモデルで1万980円、1GBモデルで1万6980円とHDDタイプに比べ大幅に低価格化した。重さも約22グラムと軽量で、バッテリ駆動時間は12時間と「iPod mini(アイポッドミニ)」に比べて4時間長いなど、HDDタイプより利点があることもユーザー獲得に寄与している。

 携帯オーディオプレイヤーブームの火付け役となったアップルが、HDDタイプに加えてフラッシュメモリタイプも揃えたことで、ますますその存在感を高めた。
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