店頭流通

セイコーエプソン 東京・青山に直営店をオープン 大阪や名古屋での出店も計画

2005/02/14 18:45

週刊BCN 2005年02月14日vol.1076掲載

 セイコーエプソン(草間三郎社長)は、東京・青山に直営店「VISION(ビジョン)」を2月10日にオープンした。ユーザーに家庭で実現できるデジタルイメージングを体験させることを目的に、店内では主力製品であるインクジェットプリンタ「カラリオ」シリーズをはじめエプソン製品のデモコーナーを数多く設置。東京での出店に加え、年内をめどに大阪や名古屋での出店を計画する。

 ビジョンでは、ユーザーのライフスタイルや自宅での設置条件などに合わせ、最適な商品を購入できるような環境を整え、エプソン製品の拡販につなげることが狙い。「リビングルーム」や「プライベートルーム」など生活シーンを模したデモンストレーションを実施するコーナーを設置し、デジタルイメージング機器を来店者が体験できる店舗に仕上げた。

 多様化するユーザーニーズに対応するため専門スタッフを配置し、ユーザーにわかりやすく説明。販売は、ウェブサイトで直販ビジネスを手がけるエプソンダイレクトが担当。商品購入用に店内にはインターネットに接続したパソコンも置いている。丹羽憲夫副社長は、「当社の製品を組み合わせて実現できる“デジタルイメージングソリューション”を提案していく」ことで顧客満足度の向上を図り、「接客から販売まで一連のコミュニケーションを行うことで、ユーザーの声を開発にフィードバックするための情報収集にもつなげる」方針。

 単機能のインクジェットプリンタ市場は、年賀状などハガキ印刷が定着している一方、ユーザーのプリンタ使用頻度が少なく、買い替え需要が伸び悩んでいる。プリンタメーカーは、高画質印刷など写真を切り口にプリンタ市場の底上げに必死だ。しかし、「デジタルカメラで撮影した写真を家庭内のプリンタで印刷する“ホームD.P.E.”はプリンタユーザーの10%にも達していない」(草間社長)のが実情。直営店を構えたのは、写真印刷の需要を掘り起こすため、「革新的な製品を開発していくことに加え、メーカー側から積極的に提案していかなければならない」(同)と判断したことによる。

 また、国内では液晶やPDP(プラズマディスプレイパネル)など薄型テレビの需要は伸びているものの、リアプロジェクションテレビのコンシューマニーズは低い。直営店を通じ同社のリアプロジェクションテレビ「リビングステーション」の拡販につなげる狙いもある。山本宏紀・ブランド戦略室部長は、「直営店は年内に大阪や名古屋、将来は全国主要都市で出店していく計画がある。これに加え、リビングステーションを核としたショップを各地に出店することも検討する」としている。
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