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液晶モニタの販売動向

2005/03/14 16:51

週刊BCN 2005年03月14日vol.1080掲載

アイ・オー・データ、首位固め

2か月連続でトップをキープ

 液晶(LCD)モニタ市場で、アイ・オー・データ機器が首位を固めつつある。

 今年に入ってから2か月連続でトップシェアを確保(台数ベース)。「BCN AWARD」の液晶モニタ部門で、2002年から4年連続で最優秀賞を獲得し続けるNEC三菱電機ビジュアルシステムズ(NMビジュアル)を抑えて、トップの座を維持している。

 昨年、NMビジュアルが月次データの台数ベースでトップを明け渡したことがあるのは、5月の1回だけ。2か月連続で首位を譲ったことはなかった。

 図は、BCNランキングの月次データをもとに、ここ6か月間の液晶モニタ上位2社の販売台数シェア推移を表した。

 アイ・オー・データ機器は1月、20.6%のシェア(台数ベース)で8か月ぶりにトップを獲得した。その後2月には、両社の開きは2.2ポイント(1月は0.7ポイント)となり、僅かながら差が広がった格好だ。3位以下をみると、イーヤマやロジテックなどが10%前後のシェアで争う状況が続いており、アイ・オー・データ機器とNMビジュアルの一騎打ち状態は変わらない。

 NMビジュアルは、台数ベースでは首位を奪われたものの、金額ベースでは依然トップシェアを確保している。アナログとデジタルの両インタフェースを持ち、同じモニタサイズの競合製品に比べ約1万円高価なモデルが製品別販売台数シェア3位に入っていることなどが好調さに寄与している。

 NMビジュアルは、4月1日からNECの全額出資子会社として新社名で再スタートを切る。NECは、三菱電機との協業体制を解消し、単独でモニタ事業をどのように舵取りしていくのか。金額ベースではトップを維持するものの、首位の座に甘んじていられる環境ではない。液晶モニタ市場は前年を上回る成長市場でもあり、アイ・オー・データ機器が強気の戦略を打ち出す可能性もあり得る。NECの戦略に注目が集まる。
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