店頭市場ピックアップ

PDAの販売動向

2005/03/21 16:51

週刊BCN 2005年03月21日vol.1081掲載

ソニーのクリエ、1.5倍強に伸長

シャープもザウルスの新製品投入

 PDA(携帯情報端末)市場は、ソニーがメーカー別販売台数シェアで40%前後で推移しておりトップシェアを獲得。2位はシャープで30%前後となっている。

 図は、BCNランキング月次データによる機種別販売台数上位2機種、シャープ「SL-C3000ザウルス」とソニー「PEG-TH55(B)クリエ エグゼブラック」のシェア推移を表した。

 昨年10月まで機種別販売台数シェアトップとなっていたソニー「PEG-TH55(B)クリエ エグゼブラック」だが、11月にシャープがザウルスの新製品「SL-C3000」を発売以降、機種別シェアでトップの座を奪われた。その後今年1月までシャープ「SL-C3000」がトップとなっていたが、ソニーがクリエについて「新製品の開発中止と7月以降の生産中止」(広報担当)を明らかにした2月は、「PEG-TH55(B)クリエエグゼブラック」の販売台数が1月の1.5倍強に拡大した。家電量販店の一部では売り切れとなっているところもある。

 ソニーはクリエの新製品投入は中止するが「携帯端末事業は成長戦略の1つ」(ソニーマーケティング)としていることから、新たな形での携帯端末が登場することも考えられる。シャープも「パソコンや携帯電話、電子辞書などの専用端末とは異なる新たな製品に育てる」方針を示しており、このほどザウルスの新製品「SL-C1000」を投入した。

 BCNランキングによる現在のPDA市場(台数ベース)は、昨年11月が前年同月比55.7%減、12月が同67.9%減、今年1月が同63.6%減、2月(第1-3週)も前年同期比74.2%減と大幅に前年実績を下回っている。PDA市場全体は減速傾向にあるが、モバイルノートパソコンや、電子辞書、携帯オーディオなどの携帯端末市場はそれぞれ好調なことから、新たな可能性が見出すことがPDAビジネスの課題となりそうだ。
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