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PDPテレビの販売動向

2005/05/23 16:51

週刊BCN 2005年05月23日vol.1089掲載

松下、新製品投入で独壇場

台数シェア67%獲得

 プラズマディスプレイパネル(PDP)テレビ市場は、松下電器産業が圧倒的な強さでトップに抜け出た。

 図は、BCNランキング週次データをもとに、最近約1か月間のPDPテレビ市場の上位4社のメーカー別台数シェア推移を表した。

 5月1日に松下が発売した「ビエラ」のPDPテレビ新製品3モデルが絶好調で、松下のシェアは一気に伸びているのが見て取れる。

 松下は、約1か月前の4月4-10日の週では、台数シェアは29.3%で2位に甘んじていた。だが、直近の週(5月2-8日)では、台数シェア67.1%を獲得し、トップ争いを繰り広げてきたライバルの日立製作所に47.2ポイントもの差をつけて首位に立った。

 松下のシェア急伸で、日立だけでなくパイオニアやソニーなどもシェアを落としている。液晶テレビ市場では、シャープ、ソニーに次ぐ3位に甘んじている松下だが、PDPテレビ市場では独り勝ちの態勢を築きつつある。

 松下が5月1日に投入した新モデルは、37V型、42V型、50V型の3製品。直近の週ではこの3モデルが製品別台数シェアの1-3位を独占。この3製品で獲得している台数シェアは62.5%にも及び、松下を首位に引き上げた原動力になっている。

 また、競合他社が今年に入ってから、新モデルを投入していないことも松下の独走態勢を作り出す要因になっている。

 PDPテレビの市場規模は、液晶テレビに比べ10分の1程度と小さいが、市場自体は依然好調に伸びている分野。液晶テレビに比べ価格は高かったが、低価格化が進み、売れ筋の画面サイズである32V型や37V型では、液晶テレビとの価格差もほとんどない。

 価格差がなくなってきたことで、PDPテレビ市場はこれまで以上の成長も期待できる。PDPの生産力増強を引き続き進める松下を、日立など競合他社はどうくい止めるのか。競合各社の事業戦略に注目だ。
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