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セキュリティソフトの販売動向

2005/06/06 16:51

週刊BCN 2005年06月06日vol.1091掲載

激しさ増す2位争い

2位のトレンドにソースネクストが肉薄

 セキュリティソフト市場で、販売本数シェア2位の座をめぐる争いが激しい。

 図は、BCNランキングの週次データをもとに、セキュリティソフトの上位4社の販売本数シェア推移を表した。

 シマンテックが首位を確保し、次いでトレンドマイクロ、ソースネクスト、マカフィーが続く構図は変わらない。ただ、2位のトレンドマイクロと3位のソースネクストの差が縮まってきている。4月11-17日の週は、両社の差は12.9ポイントだったが、直近の週(5月16-22日)では3.2ポイントとなっている。

 トレンドマイクロは4月23日、パターンファイルの不具合によりユーザーのコンピュータが動作しなくなるなどのトラブルを起こした。これが大きく影響し、4月25日-5月1日の週には前週(4月18-24日)に比べ、販売本数シェアを6.7ポイント落とした。

 一方、ソースネクストは低価格を武器に着実にシェアを獲得しており、15%前後の販売本数シェアを維持し続けている。

 トレンドマイクロは、トラブル発生日翌日の4月24日から家電量販店やパソコンショップ約3000店舗でお詫びのPOPの展示や復旧のためのCD-ROMを配布するなど、信頼回復に取り組んでいる。同社では、「トラブル発生後の対応をユーザーや販売店に評価してもらっている」最中の5月2-8日の週を境にシェアは下げ止まっている。だが、毎年行う夏のキャンペーンに関しては、「従来のような大々的な拡販キャンペーンは行わない可能性もある」(トレンドマイクロ)という。

 シマンテックの首位の座は変わらないが、2位争いはこれまでになく激しくなってきた。トレンドマイクロとソースネクストの差は数ポイントだけに、ソースネクストの拡販戦略、そしてトレンドマイクロのこれからの挽回策は注目に値する。
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