店頭流通

パソコン店頭市場 前年比5%減で推移 秋以降は前年並みに回復か

2007/07/02 16:51

週刊BCN 2007年07月02日vol.1193掲載

 国内の店頭売りパソコン市場は、WindowsVista発売以降も、前年比5%減で推移していることが、BCNランキングで明らかになった。昨年末の買い控え時期に比べると市況は回復しているが、Vistaがパソコン需要をプラスに好転させるまでの勢いはない。マイクロソフトでは、7月からの新年度において、Vistaを核にした販売施策を強化することで市場のテコ入れを図る。

 BCNランキングによると、今年1月30日のVista発売後、2月には、パソコンの販売台数が前年同月比0.9%増とプラスに転じたが、3月には4.8%減、4月6.7%減、5月4.9%減と、いずれも前年割れで推移している。内訳をみると、ノートは、3月1.1%増、4月2.4%増、5月には2.9%増とプラスで推移しているものの、デスクトップの減少幅が大きいことが足を引っ張る要因になっている。一方、メモリカード、メモリ、HDDベア、CPU、グラフィックボードなどが2ケタ成長しており、自作パソコン向けのパーツおよび周辺機器の伸びが目立つ。

 マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長は、「12月までのパソコン本体の買い控え傾向は、明らかに払拭できたと考えている。マニア層などの購入が先行したほか、Vista Home Premiumなどの高機能モデルが順調。春以降は、OEMベンダー各社からの引きも強く、今後は、さらに需要の拡大を期待している」と語る。

 Windows本部のジェイ・ジェイミソン本部長は、「全世界で約200万のデバイスドライバがサポートされており、互換性ではWindowsXPを超えた。アプリケーションソフトでは、店頭市場の約90%をカバー、WindowsXPの出荷後90日間の4倍のペースで認証ロゴを取得している。Vistaに関する国内での認知度は90%と、海外と比べても高い」とする。

 こうした地盤を背景に、今後は、企業向けの管理支援ツール「Microsoft Desktop Optimization Pack 2007」の投入や、ネットワークプロジェクターをパソコンからリモート操作するWindows Rallyなどの新機能の導入により、企業におけるVista導入に弾みをつけるほか、ユーザーの誤解や混乱を招くとして、これまで行ってこなかったVistaとWindowsXPとの機能比較をはじめとしたプロモーションをスタート、個人向け販売をテコ入れする。

 すでにパソコンは、金額ベースでは、Vista買い控え前の状況に戻りつつあり、こうした各種販売施策や、価格下落の影響によって、秋以降は、台数ベースでも前年並みに回復すると見られる。
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