店頭流通

PCの市況 3月に回復の兆し ノート絶好調、デスクは水面下

2008/04/14 18:45

週刊BCN 2008年04月14日vol.1231掲載

夏モデル投入でさらに伸びるか

 2月まで低迷が続いていたPCの市場が、3月に回復の兆しを見せ始めている。BCNランキングによると、3月のPC販売台数は前年同月比8.4%増と過去1年で最大の伸び率となった。また、ノートPCは、17.3%増と2ケタ成長という高い伸びを示した。北京オリンピック需要の本格化を前にして、弾みをつけた格好だ。

 BCNランキングによれば、今年1月のPC販売台数は前年同月比5.9%減、2月も9.4%減と大きく落ち込んでいた。

 前年1月にVistaが発売されたことで、前年1月および2月の販売台数が増加していた反動だとの指摘もある。しかし、仮に反動だとしても2月には金額ベースで17.9%減、過去1年間で最も大きな落ち込みとなっていただけに、業界内では先行きに不安を抱く声もあがっていた。

 だが、3月の実績を見ると、販売台数では8.4%増と一転してプラスに転換。金額ベースでも3.0%減と回復の兆しを見せ始めた。なかでも、ノートPCの回復が顕著で、台数ベースでは17.3%増と、過去1年で最大の伸び率を達成した。

 量販店でも、PC売り場の客数が増加しているようで、一時は販売が落ち込んでいたモバイルノートPCの販売が回復するといった動きもある。さらに、メモリに2GB以上を搭載した製品の構成率の増加、Core 2 Duoを搭載した製品の増加、マックの売れ行き拡大などに加えて、新製品発売前の価格下落にユーザーが食指を動かされたことによる販売増加といった要素もある。

 だが、その一方で、デスクトップPCの売れ行きは、依然として低迷しており、3月の販売台数は17.1%減、金額ベースでも21.9%減と、2ケタのマイナス成長からは抜け切れていない。

 4月からは、主要メーカー各社から夏モデルと呼ばれる新製品が投入され、5月以降、PC業界全体を巻き込んだ販売キャンペーンも見込まれている。過去のオリンピック需要では惨敗となったPC業界が、夏モデル発売を前にした3月の春商戦において弾みをつけた格好といえ、この勢いをどこまで持続できるかが注目される。
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