ソニーが2012年度までの経営方針を発表した。赤字のテレビ、ゲーム事業の11年3月期までの黒字化をうたい、ソニー製機器にインターネットで映画やゲームなどのコンテンツを配信する新サービスや、リチウムイオン電池などを成長分野に位置付けた。12年度までに営業利益率5%を目指す。

 赤字のテレビ事業は、台湾企業などへの外部委託を拡大。現在は20%の外部委託比率を10年度には40%まで高め、コスト削減を進める。テレビ設計の共通化にも着手しており、単一シャーシ(土台)で複数モデルを全世界で展開。採算性を改善し、利益につなげる。市場ではBRICsといった新興国での需要取り込みに力を入れ、12年度には台数ベースでグローバルシェア20%獲得を狙う。

 もう一つの赤字事業であるゲームでは、「プレイステーション3(PS3)」で部品点数の削減などを進め、コスト低減に注力する。10年度には15%のコストダウンを図る方針。

 一方、今後の収益源となる成長分野として、インターネットを使ったサービスや3D(3次元)のハード・ソフト、リチウムイオン充電池を挙げた。

 ネットワークサービスではPS3向けに展開している「プレイステーション・ネットワーク」を基盤に、ソニー製のテレビやPC、携帯オーディオにコンテンツを配信する「ソニー・オンライン・サービス(仮称)」を開始する。映画や音楽、ゲーム、電子書籍などの配信で、09年度の売上高500億円を12年度までに3000億円まで拡大する。

 3Dについては、10年に対応テレビやゲーム機を投入。放送局向けの機器も展開し、12年度までに1兆円の売り上げを目指す。リチウムイオン電池は、家庭・業務用のバックアップ電源や太陽光発電向けの蓄電システム分野に進出。自動車向け電池への本格参入も表明した。

 09年4月には経営体制を刷新。エレクトロニクスやゲーム事業などを「コンスーマー・プロダクツ&デバイスグループ」「ネットワークプロダクツ&サービス・グループ」「B2B&ディスク製造」の3グループに再編し、物流や研究開発、販売などは事業部を横断する仕組みに改めた。同時に09年度で3300億円のコスト削減目標を掲げてきたが、すでに80%を達成したという。

 19日の会見でストリンガー会長兼社長は、「トランスフォーメーション(事業構造の変革)による効果は出てきた。今後も機構改革とコスト削減で筋肉質の会社になる努力を継続する」と強調した。

新たな経営方針を説明するソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長