バッファローでは無線LANを「テレビ周辺機器」と位置づけ、ネットワーク対応テレビとの接続を重視する。その一方で、PC以外の接続先として現在最も多いゲーム機との連携にも注力している。
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後藤宏聡 ブロードバンド ソリューションズ事業部 マーケティンググループリーダー |
家電量販店ではテレビ売り場に加え、ゲーム機売り場でも製品を展開。ニンテンドーDSのほか、Wii、PS3、PSPなど、この数年で無線LANに対応するゲーム機が続々と登場。さらに、ソフトバンクモバイルが2009年冬/2010年春向けモデルとして、Wi-Fi対応の携帯電話を8機種発表したこともあり、今後のユーザー層の拡大に期待する。接続先が増えることは、「無線LANにとって09年と10年で一番大きな変化」と捉える。
製品ラインアップが豊富な点もバッファローの魅力だが、初心者はどれを選んだらいいのかわからないという悩みも生じる。そこで、「家中隅々までハイビジョン快適!」など、利用シーンがイメージしやすいキャッチコピーをパッケージに印刷。「以前は無線の規格名や技術的な特徴が目立つよう表記していたが、ユーザーの立場に立った見せ方に工夫を凝らしている」という。

売れ筋モデル「WZR-HP-G300NH」。価格は1万3600円。無線LAN全体の平均価格より高価にもかかわらず、BCNランキングの販売台数シェアで2009年7~11月の期間、1位をキープした
これまでドラフトだった米国電気電子学会(IEEE)の無線LAN規格「IEEE 802.11n」が9月に正式対応。「バッファローでは他社よりも早く表明し、家電量販店から好評を博した」そうだ。既存製品にはパッケージにシールを貼ってお知らせしたほか、POPを作成して販売店に送るなど、地味な努力も重ねた。ユーザーにとってドラフトは不安の塊。「相性問題が起こるのでは」「メーカーがサポートしてくれないのでは」という気持ちがあり、販売店も売りづらかったが、ようやくこの点を解消できた。(井上真希子)