パソコンや携帯電話、携帯ゲーム機など、無線LAN対応の機器が増えてきた。今回は、無線LAN IEEE802.11b/gに対応する機器を複数同時にインターネットに接続できることで注目を集める、無線LAN内蔵型モバイル・ルータの販売動向を探る。
対応機器とともに訴求
無線LAN内蔵型モバイル・ルータの魅力は、工事もいらず、複数のデジタル機器を同時にインターネットに接続できることにある。とくに認知が広まっているのは、イー・モバイルの「Pocket WiFi(D25HW)」で、「何台もデジタル機器を持ち歩くビジネスマンや、ゲームを楽しむ若者が購入していく」(ビックカメラ有楽町店本館5F Windowsコーナーの喜久川康一主任)という。
同店では、「Pocket WiFi」がさまざまな機器とつながることから、携帯電話売り場に限らず、携帯オーディオ売り場、パソコン売り場、ゲーム機売り場でも展開し、露出を増やしている。
さらに、ビックカメラ全店で、「Pocket WiFi」を無線LAN対応のデジタル機器と同時購入し、イー・モバイルと契約を結んだお客様に、初期費用を割り引くキャンペーンを展開している。
なかでも1000円で提供する8GBのiPod touchとの組み合わせは、Webサイトの閲覧やメールのほか、Skypeを利用すれば通話もできるようになるため、「1日数十件ある『Pocket WiFi』の契約のうち、3分の1を占める」(同)ほどの人気を集めている。
これに対して、WiMAX回線を利用するNECアクセステクニカの「Aterm WM3300R」は、「Pocket WiFi」に比べると、まだ認知が進んでいない。これには、バッテリ駆動時間が短いことや、WiMAXのサービスエリアが十分ではないことが影響しているようだ。
今後も、無線LAN対応機器が増えていくのは確実で、無線LAN内蔵型モバイル・ルータのさらなる市場拡大に期待がかかる。
・(中)に続く

ビックカメラ有楽町店本館5Fの特設ブース