このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。
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| 村田浩志社長 |
2004年6月、プラントロニクスによって立ち上がった国内のコンシューマ向けBluetoothワイヤレスヘッドセット市場。まだ売り場が存在しなかった時代の「M3000」、04年11月の改正道路交通法施行による追い風や、携帯電話のBluetooth対応機種の増加によって弾みがついた二代目「M2500」。市場を開拓してきたプラントロニクスと販売代理店のゲートは、「ワイヤレスヘッドセットの普及に、この2機種が果たした役割は大きい」(ゲートの宮本浩司取締役)と、胸を張る。
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| 特徴はひと言で打ち出し、利用シーンはイラストで分かりやすく |
現在のワイヤレスヘッドセット市場には、国内・海外のメーカーが多数参入している。携帯電話にBluetoothを搭載した機種も増え、売り場は大幅に広がった。プラントロニクス営業部の担当者によれば、「量販店の開拓を始めた4年前と比べると、売り場が10倍くらいになった店舗もある」という。認知度が低かった時代でも「ワイヤレスヘッドセットはこれからの商品ですよ」と、地道にアプローチを続けた成果が開花しつつある。
都内と埼玉県の一部の大手家電量販店を一人で担当するある担当者は、ワイヤレスヘッドセットでどんなことができるのか、機能や品質を伝える店員向けの勉強会を企画。さらには、店員の声をもとに販促物を制作している。「スカイプ」での使用シーンや、ゲームをしながら、料理をしながらでも通話ができるなど、利用シーンのイラストを入れたカタログや、特徴をひと言で打ち出した店頭POPは、この担当者が考案したものだ。
機能や品質を伝えるのはもちろんのこと、信頼を得られるようにコミュニケーションを図ることを基本に、担当者は「店員が売りやすい環境づくり」に奔走している。(田沢理恵)