頂上熱戦

【頂上熱戦】「スキャナ」(前編) PFUとキヤノンマーケティングジャパン

2010/06/24 18:45

週刊BCN 2010年06月21日vol.1338掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)自社製品の強み (2)ターゲット (3)2009年秋以降の市場拡大の理由

(左から)PFU「FI-S1500」、キヤノン「DR-150」


Answer.PFU

楠忠和氏
イメージビジネス営業統括部
販売推進部
部長
(1)【強み】ワールドワイドで、業務用スキャナを長年展開してきた技術と経験が強みだ。個人向けとして、2001年にシートフィード型ブランド「ScanSnap」を立ち上げたが、業務用で培ってきた強みを製品に生かすことができている。逆に、個人向けで集めたユーザーの声を業務用にフィードバックすることもあり、相乗効果をあげている。ScanSnapは、ブランド立ちあげ当初から「簡単・スピーディー・コンパクト」というコンセプトを掲げ、現在も貫いている。

(2)【ターゲット】30~40代のビジネスパーソンに訴求している。この世代は、個人の力量と仕事量のアンバランスが生じがちな層だ。スキャナの活用はそれを解消する一助になる。また、当社の製品は5万円程度なので、この年齢のユーザーがもっている決裁権の金額と見合うという利点もある。一般の人はスキャナというとフラットベッド型をイメージしがちで、シートフィード型の認知はまだ低い。潜在的なニーズはあるとみている。

(3)【市場拡大の理由】背景には、「企業の経営課題の解決」と「環境への配慮」がある。前者は書類をデジタル化することで業務の効率化や生産性の向上に役立ち、後者はペーパーレスを実現することで貢献する。また副次的な要因として、Windows 7の登場で、容量の大きなファイルをPCで扱いやすくなったことも関係している。キヤノンが09年10月にシートフィード型を投入したことで、市場の存在が認知されてきたことも後押ししている。


Answer.キヤノンマーケティングジャパン

神田英彦氏
オフィスデバイス商品企画本部
ページプリンタ商品企画部
IMS商品企画課
(1)【強み】シートフィード型は、店舗や大学の研究室などの個人事業者向けモデル「DR-2510C」を2007年11月に発売。その後、個人向けの製品として、09年10月に「DR-150」を投入した。DR-150は、さまざまな厚さや質感の紙をスムーズに取り込む搬送力にすぐれている。また、電源ケーブルが不要で、USBケーブル1本でPCと接続できるのもメリットだ。汎用性のある「TWAINドライバ」をインストールすれば、業務用機器と連携することもできる。

(2)【ターゲット】20~30代のユーザーに焦点を当てている。名刺の整理など、企業内のビジネス利用が中心だが、自宅での利用も想定している。例えば、取り込む文書として、新聞や雑誌の切り抜きなどが挙げられる。操作性のよさ、付属している名刺管理ソフトや家計簿ソフトなどファイル管理ソフトの利便性、そしてキヤノン製品として統一感のあるデザインの3点がユーザーに受け入れられている理由と捉えている。

(3)【市場拡大の理由】一因として、データ化した文書ファイルを、PCだけでなくスマートフォンをはじめとするモバイル端末で見られるようになったことが挙げられる。5月に日本で発売になったiPadにも注目している。また、取り込んだデータを活用する土台として、データを扱うPCの性能やHDD容量が向上するなど、インフラが整ってきたこともある。一方、これまで主流だったフラットベッド型は、複合プリンタに需要を奪われている感がある。

(井上真希子が担当)
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