コンシューマ向けにカメラのフィルムやプリントサービス、デジタルカメラなどを提供しているコダックが、今、力を入れている製品は、一般のデジタルビデオカメラよりも軽量・コンパクトで、手軽に動画を撮影することができるポケットビデオカメラだ。4月28日には、第二弾「Kodak PLAYSPORT2(Zx5)」を発売。SNSユーザーをターゲットに、一気に拡販を狙う。責任者の荒井啓次・コンシューマーSPG本部DC&D SPGマネージャーに、拡販策を聞いた。(取材・文/佐相彰彦)

「ポケットビデオ」の市場拡大へ
SNSへの簡単アップなど手軽さをアピール

Q. 新製品「PLAYSPORT2」の売れ行きをどのように予測しているのか。

A.
 「PLAYSPORT」シリーズを市場投入する前、2009年秋にポケットビデオ「Zi8」を発売したところ、予想以上の売れ行きだった。また、昨年4月に第一弾として発売したフルハイビションの「PLAYSPORT」は、これまで順調に販売を伸ばしてきており、手応えを感じている。このような状況なので、もちろん第二弾「PLAYSPORT2」は、これまで以上の販売を見込んでいる。ただし、一つの課題がある。欧州などに比べると、まだまだ日本ではポケットビデオが定着していないのだ。さらに製品の魅力を訴えていくことで、認知度を高めながら需要を増やしていく。


Q. どのように市場を開拓していくのか。

A.
 最近は、FaceBookやYouTube、TwitterなどSNS(ソーシャルネットワークサービス)のユーザーが増えている。SNSで情報を共有したり、コミュニケーションしたりするとき、YouTubeに代表されるように、動画がポイントになっているのが現状だ。そこでまず、SNSユーザーに対して、ポケットビデオが手軽に動画を撮影できる製品であることをアピールしていく。「PLAYSPORT2」には、新たに「シェアボタン」を設けたことで、指定したSNSにPC経由で簡単にアップロードできるようにしている。

Q. 「PLAYSPORT2」では、ビデオカメラとしての機能はどう進化したのか。

A.
 撮影では、オートフォーカス・システムや自動マクロ追従機能で、近接から遠景までシャープなハイビジョンビデオ撮影を可能にしている。デジタル手ブレ補正機能も搭載している。また、これまでの防水機能に加え、防塵・耐衝撃機能を備え、よりタフな撮影に耐える、また、SNSでの利用を考え、撮影後はカメラ本体でトリミングや静止画の切り出しができるようにした。HDMIケーブルでテレビに接続して大画面で楽しむという「オフラインのコミュニケーション」も可能にしている。さらに、自転車のハンドルやサーフボードに付けることができる三脚、水に浮くストラップなどのアクセサリも、初めて発売に踏み切った。

Q. 目標を聞かせてほしい。

A.
 日本のデジタルビデオカメラ市場自体が成熟しつつあるなかで、ポケットビデオはまだ十分に浸透していない製品分野。そうした意味では、業界全体で、ポケットビデオという新たなジャンルを日本の市場で確立していきたい。家電量販店には、例えば、当社や他メーカーのポケットビデオと周辺製品を展示したコーナーの設置などを提案している。

・Turning Point

 アナログ製品のビジネスに携わっていた98年、自らデジタルカメラ部門への異動を志願した。「デジタル製品は、アナログ製品に比べてライフサイクルが短いことを含め、ビジネスのスピードが違う」と実感したという。マーケティングを中心として業務に従事していたが、4年ほど経過した02年、コダックはデジカメの生産から撤退した。その後は、製品企画・設計を担当し、日本市場に適したデジタル関連製品を思案。06年にデジカメの再参入を実現した。また、このなかで、ポケットビデオも模索してきたという。