これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ログラス・布川友也CEO」を取材しました。
経営管理の現場で見えた課題
大学時代は、学業とビジネスの二足のわらじを履いていた。参画していた企業はスケールしなかったが、顧客に価値を届けるという経験が、起業して社会貢献することへの強い興味へとつながった。
新卒からの投資銀行を経て、起業を見据えて上場直後のベンチャー企業に入り、経営戦略担当として予実管理などを任されていた。経営判断に関わる管理業務は、間違ってしまった場合に会社への影響が大きい。にもかかわらず、担当者が個別に持つ情報を表計算ソフトに取りまとめるには時間がかかり、分析や変更にも大きな手間が発生する。この経験が「同じように悩みを持っている経営陣や、計画に携わる人たちを救うべき」との考えにつながった。
未来を見据えて成長する
自社のようなスタートアップの企業では、1年や2年で大きく状況が変わる。実際、新型コロナ禍においては、ビジネスが思うように進まない事態に見舞われた。「今、話していることも、1年先には意味がなくなることがある」。目の前の出来事だけにとらわれず、未来を意識し、今どうあるべきかを常に議論できる企業でありたいと願う。
起業家を育てたい
スタートアップとして、上場は目標の一つである。ただ、その先が重要だ。現在は一つの事業だけのビジネスだが、上場までには複数事業を展開したい。そして、それぞれの事業を主導するメンバーから起業家を育て、その集団が「ログラスマフィア」と呼ばれるような存在になってほしい。自身がログラスの経営にいつまで携わるかはわからない。けれども「私自身もログラスマフィアの一員になって、さらなる挑戦をし続けると決めている」。
プロフィール
布川友也
1993年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部経済学科を卒業後、SMBC日興証券でM&AやIPOアドバイザリー業務に従事。その後、当時上場直後のITベンチャー企業でIRや投資、経営管理を担当する。2019年にログラスを創業。
会社紹介
20年7月から社内に散らばる経営データを一元化する経営管理クラウド「Loglass」を開発、提供している。