これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ノウタス・高橋明久代表取締役 Co-Founder&CEO」を取材しました。
魅力を伝える橋渡し役
農業との関わりは、妻の実家が山梨のスモモ農家だったことが始まりだ。後継者がおらず、冗談めかして継いでくれないかと言われたこともあったが、自身は都内で働く身。どうにかしたいけど何もできないと思っていた。でも、妻の実家で朝は農作業の手伝い、昼はリモートワークという働き方をしてみたら、思いのほか楽しかった。
金融系が長いキャリアの中で、異業種への参入支援を多数経験していた。就農する以外にも支援できる方法はあるのではないか。「畑に立つだけが農業じゃない」。自分にしかできない農業を盛り上げる手段は、家族経営の小さな農家のDX化をサポートし、農業の魅力を伝える橋渡し役だった。
バンド活動の延長で起業
学生時代から続けているバンド活動は、コロナ禍でできなくなった。農業を絡めて何か面白いことをしたいと、バンド仲間とオンラインで果物狩りを企画。農作業を取り入れたワーケーションも開催した。活動はテレビなどで多数取り上げられた。
農業への関心は高いと感じ、バンド仲間と一緒に会社を設立。果物狩りの集客や決済をスマートフォンのアプリ一つでできるようにして開催のハードルを下げたり、農作物の価格を消費者が後から決めるECサイトを作ったりした。「行動のポリシーはいかに面白いことをするか。起業したのも面白いことができそうだったから」とちゃめっ気いっぱいに語る。自分も周りも楽しんでなんぼ。果物狩りをする農園で仲間と歌い演奏することもある。
誰もが何かしら関わる未来を
普段は農業と関係のない人と農家をつなぎ、生産者を応援したくなる仕組みを構築したい。楽しいことを通じて農家のファンを増やすことを目指す「アグリテインメント」を掲げる。4月には、ラジオ共演の縁から、ジャニーズ事務所所属の村上信五氏が事業開発担当として参画した。エンタメのプロが農産物のプロデュースなどを手掛けていくという。
「推し農家がいて、その人の作るものを食べに出かけるのもいい」。誰もが農業に関心を持ち、何かしら関わる未来を見据えて、これからも面白いことをどんどん仕掛けていく。
プロフィール
高橋明久
1978年大阪生まれ。伊藤忠商事のスピンアウトで 企業のアジア参入支援や韓国駐在を経験。NTTデータで金融インフラ事業に携わる。アクセンチュア在籍時の2018年、農業支援アプリを開発する会社を創業。22年4月、株式会社化しノウタスを設立。社名は「人生に農を足そう」の意。
会社紹介
農業と生活を近づけるアグリテインメント事業、企業の農業参入を支援するFaaS(Farming as a Service)事業を展開。長野県や愛媛県の自治体にもサービスを提供。「Win-WinよりもFun-Funに」を経営理念としている。