これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ミーク・峯村竜太代表取締役執行役員社長」を取材しました。
器用貧乏だった学生時代
「突出して優れていたわけではなく、何ごとも平均的で、いわゆる器用貧乏だった」と、理系の大学で学んでいた当時を振り返る。優秀な同級生が大手企業に就職する中、スタートアップ企業の営業職に応募したのも、「ずば抜けて優れた人の集まりに行っても埋もれてしまう」と考えたからだ。
それでも、何か新しいことに挑戦したいとの思いから新規事業の立ち上げに熱心なソネットエンタテインメントに転職した。
社内公募で独立を果たす
ソニーネットワークコミュニケーションズはモバイル回線の卸事業を手掛けていたが、事業の特性から下りの回線の使用率が高く、「上りの回線ががら空き」の状態が続いていた。そこで、上り回線を多く使うIoTプラットフォーム事業を社内公募を通じて共同提案したところ認められ、IoTなどの事業を手掛ける会社を興した。
モバイル回線を使ったIoT需要増も追い風となり、IoTプラットフォームの利用社数は21年3月のサービス開始から3年弱で7000社余りに増加。もともと空いていた上り回線を埋めるかたちでコスト効果も大きく改善させることができた。
挑戦できる土壌をつくる
新しい事業や会社を立ち上げる経営者は、ずば抜けて優秀な人、カリスマ性のある人が多く、「誰が立ち上げ役を担うかで成否が大きく左右される」。実際、「ソニーネットワークコミュニケーションズから独立した経営者の多くは神がかっている人が多い」と話す。そうしたなかでも「平均的な自分が事業を軌道に乗せることで、より多くの人が起業に挑戦できる土壌をつくれる」と信じて取り組んできた。
起業後、寝食を惜しんで打ち込む昭和型のスタイルではなく、毎日の食事や犬の散歩といった家族との日常を大切にするよう心掛け、社員にも仕事と生活のバランスをとるよう求めた。仕事には困難がつきものだが、生活とのバランスのなかで解消すべきものと、令和時代の新しい起業家像を追求している。
プロフィール
峯村竜太
1981年、静岡県生まれ。2006年、東京工業大学修士課程修了。通信系のスタートアップ企業を経て、11年、ソネットエンタテインメント(現ソニーネットワークコミュニケーションズ)入社。19年、ソニーネットワークコミュニケーションズスマートプラットフォーム(現ミーク)起業。
会社紹介
モバイル回線を使ったIoTプラットフォーム事業「MEEQ(ミーク)」やMVNE(仮想移動体サービス提供者)事業などを手掛ける。2019年設立。ソニーネットワークコミュニケーションズのグループ会社。