これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「コングラント・佐藤正隆代表取締役CEO」を取材しました。
必要なお金が届くように
さまざまな問題意識から社会課題の解決に挑むNPOが存在する一方で、「一般的な会社のように経営の観点に、十分な力が注がれていない団体がある」のも事実だ。
経営の視点が欠けている団体は、ITを活用したプロセスの変革も起きにくい。自社のサービスを通して、この点を補完し、NPOの活動資金となる寄付を集める仕組みを高度化することで、「あらゆる困難に寄付が届く世界の実現」を目指している。
有意義なつながりをつくる
寄付をする側にすれば、社会の変革のためには少額では意味がないと思うかもしれない。ただ、「ある団体に寄付が届けば使い道を考える話し合いが行われ、支援に向けた具体的な一歩が始まり、支援活動が広がるきっかけになる」
重要なのは「寄付をする行為をもっと身近にし、思い立ったときに誰もが気軽に寄付できるようにすること」だ。加えて、一回の寄付でつくられたNPOとのつながりが、有意義なものだと分かるように可視化する仕組みを整えれば、次の支援にもつながっていく。
次の世代に残す事業に
「成長するビジネスは社会性がずば抜けていなければならない」と話す。「ビジネスの拡大を意識し、競合相手とばかり向き合った結果、社会性が狭まれば多くの人から支持を集められなくなる」と考えるからだ。
目指しているのは自社のサービスが「社会のインフラ」になること。「配達業者のように世の中の必要な場所に、適切なかたちで寄付を確実に届けたい」。寄付が抱える課題に対して目先の解決策を示すだけではなく、仕組みそのものを整備して、「時間がかかっても、次の世代にないと困ると思われる遺産となるような事業を残したい」と考えている。
プロフィール
佐藤正隆
1980年生まれ、岡山県出身。2008年にWebサービス・システム開発を手掛けるリタワークスを創業。同社NPO事業部で寄付金募集や決済など支援する事業を開始。20年にスピンオフして、コングラントを設立。
会社紹介
寄付金の募集や決済、CRMといった機能を備える「コングラント」などを開発・提供する。導入団体は約3000。企業向けに従業員の寄付を支援する「コングラント for Business」も提供する。