これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Haul・平田拓嗣代表取締役CEO」を取材しました。
「今が一番楽しい」大人を増やす
前職で、新しいテクノロジーを使って市場をつくり出し、会社を大きく成長させていく過程を見てきたことから、「今度は自分でやりたい」と思うようになった。
起業は就職する前から選択肢の一つに入っていた。高校生の頃、大人と接していると「過去の話は楽しそうにしているが、今はつまらなそう」だと感じることがあった。そのため、「今が一番楽しいと言える大人を増やしたい」「やりたいことがあると言える人たちがあふれる世の中にしたい」との思いが強まった。採用に関する事業を展開することで、人それぞれの個性や価値観に合う仕事や企業と出会えるように支援し、会社のビジョンに掲げる「希望ある未来を実装する」を実現する。
言葉と行いの一貫性
大学生の頃、さまざまな経営者と話をする機会に恵まれた。その中で、成功している経営者に共通するのは「ビジョンをきちんと言葉にして伝え、人を巻き込めるかどうか」だと分析した。「自分だけが良ければいいという独りよがりではなく、矢印を社会に向け、周りも含めて良くしていく」という志を持つべきだと考えている。
会社を経営する上では、周りの人たちから応援されるかどうかも大切にしている。応援してもらえるような会社であり、人であるために、言っていることと実際に取り組んでいることの一貫性を重視する。
ロマンとそろばんの両立
社員の多くがベンチャー企業で働いた経験を持っていることから「共通言語が多い」。昨今、さまざまな技術が次々生まれており、ビジネスのスピードも加速している。話が通じやすく、仕事をする上で「説明コストが低い」ことは、迅速な意思決定や実行につながるからこそ、ビジネスの潮流をキャッチアップする上での強みになる。
「社会をより良くするためのルールをつくっていける会社にしたい」。しかし、良いビジョンがあっても、実態が伴わなければ信頼は得られない。逆もまたしかりだ。“ロマン”と“そろばん”を両立させ、目指す未来をたぐり寄せる。
プロフィール
平田拓嗣
1990年、大阪府生まれ。大学を卒業後、AIスタートアップのABEJAの初期メンバーとして入社。HR部門でビジネスサイドからAIエンジニアまで幅広い職種の採用に携わる。その後、HRBP(HRビジネスパートナー)として独立。2018年にHaulを創業。
会社紹介
候補者から選ばれる「アトラクト採用」を実現する採用ソリューション「RekMA」の開発・運用や、戦略・戦術から実行まで伴走する採用パートナー事業「RekPro」を展開している。