その他
オーサス、自社製品で売上倍増 オフコン駆逐狙って急成長
2005/04/11 21:12
週刊BCN 2005年04月11日vol.1084掲載
創業から10年あまり、年商が約2億円で推移してきたソフト開発ベンダーがユニークなマーケティング手法で急成長している。業務ノウハウを持つシステムエンジニア(SE)らが独立してつくったオーサス(後藤昭彦社長)は、オフコンリプレースをキーワードにしたERP(統合基幹業務システム)「電算番頭」プロジェクトを立ち上げて下請け仕事から脱却。昨年度(2005年3月期)は、創業以来最高の売上高約4億円を達成した模様で、今年度(06年3月期)はさらに前年度比2倍の8億円を目指す。(安藤章司●取材/文)
下請け中心から脱却、年商3億円の壁を突破
■「電算番頭」今年度40社納入目指す
オーサスは、顧客企業などから受託したソフト開発や一部オリジナルの業務アプリケーションなどを販売してきたソフト開発ベンダー。ここ10年間は売上高2億円前後で推移している、よくある“中小ソフト開発ベンダー”の1社に過ぎなかった。だが、ユニークなマーケティング手法を採り入れて営業方針を一転してからは、中小ソフト開発ベンダーが突き当たるといわれる「年商3億円の壁」(ソフト開発関係者)を軽々と突破。ここ数年間は売上倍増の強気の事業計画を立てるまでに成長した。
マーケティングの切り札となったのが、国内に約15万台稼働しているといわれるオフコンのリプレースだ。商材は、これまで蓄積してきた業務ノウハウを生かして考案した自社製品の「電算番頭」。キャッチフレーズはオフコンを駆除するという意味の「オフコンバスターズ」とした。
オフコンバスターズ「電算番頭」は03年5月に製品化し、年商15-30億円の中小企業をターゲットに売り出したところ反応は上々。後藤社長は「中小企業にオフコンを売って株式上場を果たしたディーラーもある。だったら、そのオフコンのリプレースで上場することもできる」と、将来の株式上場を視野に入れた事業拡大に意欲を示す。
「電算番頭」は、これまでに約20社の納入実績がある。今年度は新たに40社への納入を見込んでいる。販売パートナーも4社に増えた。電算番頭は、データベースやプログラムのソースコードの改変が可能で、オフコン特有の専用アプリケーションの操作画面を取り込み、従来の使い勝手の良さをそのまま電算番頭へ安価に移行できる。
■07年3月期、売上16億円へ
今年2月1日、中部地区の販売パートナーとなったシステムインテグレータのシステムサーバー(名古屋市)の鈴木秀美社長は、「オフコンをオープンシステムへ安価に移行できる点を評価した」と、中部地区にも数多く残るオフコンユーザーの移行需要の取り込みに有用だと判断した。
オフコンユーザーは、販売管理などの業務の流れに沿ってカスタマイズした独自の業務アプリケーションを使っていることが多く、これが既存の中小企業向けERPパッケージでカバーできない原因となっていた。電算番頭では、低コストで効率よくカスタマイズ部分の差異を引き継ぐインタフェースソフトを充実させることで、オフコンユーザーの支持を得た。
今年度は、販売パートナーを新たに3-4社増やし、売上高の目標を前年度比約2倍の8億円、来年度(07年3月期)はさらにその2倍の16億円を目指す。昨年度の売上高全体のうち電算番頭関連が占める比率は8割程度だったが、今年度は既存のオリジナルの業務アプリケーションを発展的に電算番頭シリーズへ集約していくことで、売り上げの大半を電算番頭関連が占める見通しだという。
オフコンはいずれ寿命が来る。それまでに一定数のユーザーを獲得すれば、その先は「オープンシステムの特性を生かした新しいビジネスが生まれる」(後藤社長)と、電算番頭が顧客獲得のためのマーケティング手法の1つだと話す。年商約2億円だったソフト開発ベンダーが、下請け仕事から脱却し、ユニークな発想で大きなビジネスチャンスをつかもうとしている。単なるソフト開発だけでは生き残れない厳しい市場環境のなかで、オーサスの挑戦から学ぶところは多い。
創業から10年あまり、年商が約2億円で推移してきたソフト開発ベンダーがユニークなマーケティング手法で急成長している。業務ノウハウを持つシステムエンジニア(SE)らが独立してつくったオーサス(後藤昭彦社長)は、オフコンリプレースをキーワードにしたERP(統合基幹業務システム)「電算番頭」プロジェクトを立ち上げて下請け仕事から脱却。昨年度(2005年3月期)は、創業以来最高の売上高約4億円を達成した模様で、今年度(06年3月期)はさらに前年度比2倍の8億円を目指す。(安藤章司●取材/文)
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