その他
NECパーソナル ノートPCに無線タグ、マザーボードに実装
2005/12/05 21:10
週刊BCN 2005年12月05日vol.1116掲載
NECパーソナルプロダクツ(片山徹社長)は、2006年1月からノートパソコンの一部機種のマザーボードにRFID(無線タグ)を実装することを決めた。マザーボードに搭載しているLSIや部品の情報をRFIDに格納することで、品質管理や廃棄・解体されるときの環境対策情報を提供するなど、NECグループで進めるLCM(ライフサイクルマネジメント)を強化する。同社は、06年1月にパソコン生産拠点の米沢事業場(山形県米沢市)のマザーボード製造ラインの改良を予定しており、それを機に一部のノートパソコンのマザーボードにRFIDの実装実験を開始する。
部品情報を記録し1月から実証実験
廃棄・解体までのLCMを強化へ
NECパーソナルはRFIDを使った生産効率化などを進めており、ノートパソコンのマザーボードにRFIDを搭載するのもLCM強化の一環としている。まず、マザーボードの生産時に部品情報を格納し、その情報をデータベース化することに着手する。そのためマザーボードのリフロー(熱処理)前にはRFIDを取りはずし最終製品には搭載されない。NECではこの実験を経て、次の段階で最終製品にまでRFIDを搭載する計画だ。
米沢事業場は、04年9月から、それまでバーコードで行っていた情報の読み取り作業をRFIDに置き換え、大幅な効率化を実現した。導入以前の量産ラインでは、生産指示などの情報を収集するために、1日あたり約10万回のバーコード読み取り作業が必要だったが、そうした情報をRFIDカードに格納し、そのカードを量産ラインの各セルに配置されたアンテナの近くに置くことで、生産指示の内容が各セルのモニタに表示される。
また、RFIDの情報を読み取ることで生産管理面では各セルの生産進捗状況がリアルタイムで一覧でき、作業の遅れているラインの生産予定を他のラインに振り向けるなどの対策が画面上で容易に行えるようになった。
今年12月からは、RFID導入の第2ステップとして部材の調達領域にも広げた「電子かんばん」を導入する。RFIDで管理された部材は、ラインで製品に搭載されることで部材メーカーにもその情報が伝達される。これにより米沢事業場内に余分な在庫を確保する必要がなくなり、棚卸資産の軽減に役立つ。まず、マニュアルやバックアップCDなどの添付品から電子かんばんを採用するが、これにより部材のストックヤードは約300平方メートル削減できるという。今後、個々の部品などに添付されたRFIDを一括で読み取る実験にも着手する。
こうしたRFID実用領域を拡大するとともに、パソコンのLCMを強化するためにノートパソコンのマザーボードにRFIDを実装することを決めた。来年1月にノートパソコンのマザーボードの生産プロセスの一部を改善し、生産性向上のための改良を行う計画で、そのタイミングでノートパソコンのうちの一部機種にRFID実装マザーボードを導入する実験を行う。そのパソコンが搭載する抵抗やLSIなどの個別部品の情報や、マザーボード自体の生産情報などを格納し環境対策や品質管理に役立てていく。
環境面では、06年7月からEU(欧州連合)では電気・電子製品や部品に使用する金属や化学物質など、環境汚染につながる有害物質を規制する「RoHS規制」がスタートしており、使用する物質の情報を管理することが不可欠になっている。このためRFIDに、部品に関わる環境情報などを格納することで、廃棄やリサイクルの際に使用物質を把握しやすくなるメリットがある。
NECパーソナルプロダクツ(片山徹社長)は、2006年1月からノートパソコンの一部機種のマザーボードにRFID(無線タグ)を実装することを決めた。マザーボードに搭載しているLSIや部品の情報をRFIDに格納することで、品質管理や廃棄・解体されるときの環境対策情報を提供するなど、NECグループで進めるLCM(ライフサイクルマネジメント)を強化する。同社は、06年1月にパソコン生産拠点の米沢事業場(山形県米沢市)のマザーボード製造ラインの改良を予定しており、それを機に一部のノートパソコンのマザーボードにRFIDの実装実験を開始する。
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