その他
日本AMD 巻き返し図れるか!?
2007/09/24 21:10
週刊BCN 2007年09月24日vol.1204掲載
日本AMD(森下正敏社長)は、新プロセッサ「クアッドコアAMD Opteronプロセッサ」の出荷を開始した。同社にとって、クアッドコアへの対応は今回が初。出荷開始が予定より遅れたものの、複数メーカーが積極的に採用した点で強気の姿勢をみせている。クアッドコアについてはインテルがすでに市場投入しているが、果たして巻き返しを図れるのだろうか。(佐相彰彦●取材/文)
クアッドコアプロセッサを発売
複数メーカーが積極採用へ
■「自信満々」な市場投入
クアッドコアの発表会で日本AMDの森下社長は冒頭、「満を持しての市場投入」とアピールし、サーバーメーカーを中心に多くのベンダーが新製品の発売に期待していたことを示唆した。というのも、すでに市場投入されているインテルのクアッドコアより優れていることに絶対の自信を持っているからだ。会見には米国本社のフィル・ヘスター・上級副社長兼CTOも同席し、「今回の製品は、2003年にOpteronプロセッサを市場投入して以来の最大の変革。“真”のプロセッサとして優位に立てる」と断言。また、会見ではインテルのクアッドコアと比較するデモを実施し、仮想化環境などでの処理能力や消費電力などで、AMD製品に優位性があることを訴えた。
国内市場でのビジネス拡大については、「(サーバーメーカーなどとの)パートナーシップを一段と深め、シェア拡大を図っていく」(森下社長)考えを示している。実際、サーバーメーカーのなかにはAMDのクアッドコアに期待する声も出ている。日本ヒューレット・パッカードでは「ユーザー企業から要求が多かったことから、待ちに待っていた」(上原宏・エンタープライズストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部長)しており、年内までに主要製品への採用を計画する。デルでは、「最先端の技術をいち早く採用することが重要。今回のプロセッサを搭載した製品を1か月程度で市場投入できる」(桜田仁隆・エンタープライズマーケティング本部長)ことを明らかにしている。
■国内メーカーは案件採用で
高性能な製品が投入できたこととサーバーメーカーによる積極採用で、日本AMDでは「搭載製品を増やしていく」(森下社長)と国内での巻き返しを図っていきたいわけだが、いくつかの課題も抱えている。新プロセッサに対してサーバーメーカーのなかで「待ちに待った」というコメントが出たのは、出荷が遅れたことが影響している点も大きい。実際、AMD側でも「6-7月の出荷を予定していた」(ヘスターCTO)と認める。しかし、「遅れたことは確かだが、大きな遅れではない。十分に予測した範囲内」という。AMDの“予測した範囲内”がユーザー企業でも同様だったかどうかは気になるところだ。
また、主要な国内メーカーがAMDを積極採用していくかどうかも疑問だ。日本AMDの吉沢俊介・取締役マーケティング本部長は、「時期がくれば明らかになる」と明言。実際、発表会では賛同メーカーとして富士通が登壇するという異例な出来事もあった。しかし、富士通がAMD搭載のサーバーをラインアップとして揃えるかどうかについては「計画していない」(広報関係者)。あくまで、ハイパフォーマンスコンピューティングの分野で案件ごとに採用することにとどまるという。また、NECについても同様で「AMDを製品ラインアップに追加することは現段階で計画にはない。案件ごとの対応」(広報関係者)としている。
インテルが先行してクアッドコアを市場投入していること、主要な国産メーカーにラインアップがないことは大きな“ハンデ”だ。課題を抱えているなかで、AMDがどのように新プロセッサを普及させるのか。パートナープログラムの大幅な強化など販売戦略の拡充も重要といえそうだ。
日本AMD(森下正敏社長)は、新プロセッサ「クアッドコアAMD Opteronプロセッサ」の出荷を開始した。同社にとって、クアッドコアへの対応は今回が初。出荷開始が予定より遅れたものの、複数メーカーが積極的に採用した点で強気の姿勢をみせている。クアッドコアについてはインテルがすでに市場投入しているが、果たして巻き返しを図れるのだろうか。(佐相彰彦●取材/文)
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