その他
大手メーカー 戦略スイッチを投入 マーケットシェア拡大を狙う
2007/10/15 14:53
週刊BCN 2007年10月15日vol.1207掲載
大手ネットワーク関連機器メーカーによる戦略的なコア・スイッチの市場投入が相次いでいる。コア・スイッチとして使われるL2/L3スイッチ市場が成熟期に入っているなか、各社が見据えているのは国内の潜在的な需要を掘り起こすこと。価格や機能など特徴的な製品を投入することでマーケットシェアの拡大を狙う。(佐相彰彦●取材/文)
国内需要を掘り起こせ!
■成熟市場でも開拓の余地はある
アライドテレシスは、“国内エンタープライズ市場の需要を完全に満たす製品”と銘打った新しいコア・スイッチを今年11月から順次発売する。負荷分散型の冗長ネットワーク構成が可能で、しかも他社製品よりも低価格に設定していることが売り。小原淳・製品事業部取締役事業部長は、「競合メーカー製品に比べておよそ半額の価格帯」とアピールする。
ネットワークの冗長性に目を向けたのは、「米国では、CPUや電源、インターフェースをユニット内で二重化する『システム冗長』が一般的。一方、日本では回線や経路、ゲートウェイを二重化するというネットワーク全体を冗長化する需要が高い」ため。レイヤごとに異なるプロトコルが混在する現状のネットワークが管理者の負担増になっている半面、日本ではネットワークを管理する人材が不足しているという。管理者の負担を軽減するには、シンプルなネットワークを構成できる製品が必要。「海外メーカーの製品は、高価格帯ばかりを市場投入している。それに対抗するため、モジュール構造で機能追加や修正が行えるようにして価格を抑えた」としている。
ジュニパーネットワークスでは、通信事業者などサービスプロバイダ向けにイーサネット・ルーティングプラットフォーム製品「MX」シリーズを投入。100Gbpsなどの伝送速度が可能な「次世代イーサネット」に対応した。佐宗大介・サービスプロバイダーマーケティングマネージャーは、「NGN(次世代ネットワー網)で実現するIPマルチサービス提供が可能な製品として拡販を図っていく」としている。
■市場を絞り込む戦略で
アライドテレシスやジュニパーネットワークスが、「ネットワーク冗長」や「NGN」など国内ニーズに対応した製品の市場投入に踏み切ったのは、まだまだ需要を掘り起こせると判断しているからだ。
アライドテレシスの小原取締役は、「コア・スイッチは、単に新製品を発売したところで、他社製品を導入しているユーザー企業が当社製品に乗り換えるというケースは少ない。マーケットが成熟期に入っており、ユーザー企業によるコア・スイッチへの関心が低いためだ。しかし、日本で求められているニーズをすべて搭載すれば、必ず競合他社の牙城を崩せる」と言い切る。これまで同社は海外を見据えたビジネスを展開してきた。「国産メーカーとして、日本を見なければならない」と認識したようだ。
ジュニパーネットワークスの佐宗マネージャーは、「キャリアイーサネットサービス市場は成長しており、2009年には国内で2000億円を超えるといわれている。MXシリーズは、ワールドワイドの通信事業者向けコア・ルータ市場で50%近くのシェアを持っている実績を生かした製品。通信事業者など日本のサービスプロバイダが進めるNGN構想に最適だ」としている。
ネットワーク関連のハード売りは厳しい状況といわれている。ネットワーク系に強いインテグレータは業績不振が続いているのが実情で、最近ではSIerとの統合や、大手SIerの子会社になるといった例もある。そんななか、メーカーによる価格や機能で戦略的な製品の市場投入で、どのような効果をもたらすか。市場低迷の打破に期待がかかる。
大手ネットワーク関連機器メーカーによる戦略的なコア・スイッチの市場投入が相次いでいる。コア・スイッチとして使われるL2/L3スイッチ市場が成熟期に入っているなか、各社が見据えているのは国内の潜在的な需要を掘り起こすこと。価格や機能など特徴的な製品を投入することでマーケットシェアの拡大を狙う。(佐相彰彦●取材/文)
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