その他
B-EN-Gと日本オラクルが協業 “動くSOA”具現化を目指す
2007/10/29 21:10
週刊BCN 2007年10月29日vol.1209掲載
東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G、千田峰雄社長)と日本オラクル(新宅正明社長)は、オラクルのミドルウェア製品群などを活用し、ユーザー企業が将来的に利用可能なSOA(サービス指向アーキテクチャ)環境を実現する専門組織を設立した。SOAを利用すれば、既存システムなどを生かした「再利用性」の高い仕組みを構築できる。しかし、SIer側の実装方法や企業側のRFP(提案依頼書)作成など、具体的にどうすべきか不明確で普及途上にある。そこで、B-EN-Gは社内に検証環境を新設。企業が導入時にここを利用して“動くSOA”を見て検証できるようにした。SOA環境の企業導入を具現化する協業として注目される。(谷畑良胤●取材/文)
導入前の事前検証を開始 ■B-EN-Gが検証環境を新設 両社は10月1日、SOA分野の協業を強化した。この一環として、B-EN-Gは、オラクルの「Oracle Fusion Middleware(OFM)」を活用したSOA推進専門チーム「オラクルフュージョンテクノロジーセンター」を組織、エンジニア12人による検証環境を新設した。 B-EN-Gは、主力自社製品の生産・販売・物流パッケージ「MCFrame(エムシーフレーム)」と有力ITベンダー9社のソリューションをOFMのSOA基盤「Oracle BPEL Process Manager(BPEL)」を連携させ、内部統制の推進を支援する「CONTROL2006」を昨年10月に発表している。こうした活動を通じ、「既存システムと自社製品などから必要なサービスを取り出し活用するSOA基盤整備に対するニーズの高さを確認した」(佐藤泰現・設計開発技術部長)と、両社で具体的な推進体制を敷くことを決めたという。 センターでは、B-EN-Gのアプリケーションに関する知識・ノウハウと日本オラクルの製品技術を組み合わせ、「柔軟性が高く、将来的に安心して利用できるSOA環境の提供を目指す」(佐藤部長)方針である。日本オラクルはB-EN-G向け専門窓口を設け、最新技術情報を提供するなど支援を積極化。B-EN-Gはこの先、案件を獲得して機能検証や性能検証を繰り返し、技術ノウハウを蓄積することでサービスメニューを増やす。 SOAは、標準技術を利用してシステム間を疎結合することで、柔軟性の高いシステムを実現する仕組み。内部統制強化の動きが活発化するなかで、激変する事業環境に素早く対応することが求められ、SOAを生かしたシステム構築のニーズが高まっている。 企業内には、ERP(統合基幹業務システム)やCRM(顧客情報管理)などパッケージのほか、「コア・コンピタンス(競争力の源泉)」と呼ぶ部分を自社でスクラッチ(手組み)開発したソフトウェアなどが現存する。受発注管理と在庫管理が別のシステムとして稼働し、データ連携させたい場合は、両システムから必要なサービスを取り出し、SOA環境上で連携させることで、既存システムを再構築せず、新たな“強み”をもつ システムを構築できる。しかし、「既存システムのどこから、どんなサービスを取り出し、疎結合して、どれだけリッチな機能にするかを示せるSIerは少ない」(佐藤部長)という。基幹システムであれば、そうした疎結合の完成系が見えなければ、たやすく再構築に手を付けられない。■時間短縮と投資リスクの極小化 両社は、検証環境で事前検討段階で、「動くモノを見せる」(B-EN-Gの佐藤部長)ことができるまで、機能・性能などテクノロジー面を含め検証する。これを経ることで、企業側は、RFPにSOAを生かしたシステム開発の内容を盛り込める。また、事前検討に要する時間を短縮でき、投資リスクを極小化できる。 日本オラクルは「B-EN-Gには、企業の要望に応え的確にサービスを切り出すノウハウがある」(伊東英輝・SOA技術部担当シニアマネジャー)と、協業した理由を説明。この先、両社でSOA環境を普及するテクノロジー面のノウハウを蓄積していく。昨年10月に開始した「CONTROL2006」に参画するグループウェアやERP、ワークフロー、帳票などのソフトを開発するITベンダーを加え、両社を中心に急速にSOA環境が企業に浸透することが予想される。
東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G、千田峰雄社長)と日本オラクル(新宅正明社長)は、オラクルのミドルウェア製品群などを活用し、ユーザー企業が将来的に利用可能なSOA(サービス指向アーキテクチャ)環境を実現する専門組織を設立した。SOAを利用すれば、既存システムなどを生かした「再利用性」の高い仕組みを構築できる。しかし、SIer側の実装方法や企業側のRFP(提案依頼書)作成など、具体的にどうすべきか不明確で普及途上にある。そこで、B-EN-Gは社内に検証環境を新設。企業が導入時にここを利用して“動くSOA”を見て検証できるようにした。SOA環境の企業導入を具現化する協業として注目される。(谷畑良胤●取材/文)
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