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日本HP 08年度の戦略を発表 x86サーバーで国内No.1へ
2008/01/21 21:10
週刊BCN 2008年01月21日vol.1219掲載
x86サーバーで国内No.1へ──日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が2008年度(08年10月期)の戦略として掲げた目標だ。同社は常にトップシェアを狙っているため、とくに目新しい戦略とはいえないが、ブレード型サーバー関連ビジネスが順調なだけに、実現は遠い将来ではないことを示唆している。果たして、どのような戦略でビジネスを拡大していくのだろうか。(佐相彰彦●取材/文)
ブレードのシェア拡大が決め手 ■ブレードでシェア50%を目指す 08年度の戦略として同社が重点施策に位置づけているのは、ブレードをはじめ中堅・中小規模企業のサーバーの活用促進だ。販売代理店を経由したビジネス拡大を図るため、今春をめどに教育プログラムを刷新するほか、ブレード型「HP BladeSystem」のパートナープログラム拡充などを計画している。エンタープライズストレージ・サーバ事業統括ISSビジネス本部の橘一徳本部長は、「08年度は、“日本を進化させるサーバ”をコンセプトに掲げ、最先端のテクノロジーで日本市場に根ざした形でx86サーバーを提供していく」としている。 07年度を振り返ると、同社は国内市場でローエンドモデルのエントリーサーバーが出荷台数で前年度比84%増、ブレード型が前年度比73%増と順調に推移した。エントリーサーバーでは、中堅・中小企業向けの営業体制を強化したほか、新製品の投入やキャンペーンの実施でリプレース需要を促進。ブレード型では、顧客層を広げるための戦略製品を発売したことが台数増に寄与した。 08年度も引き続きビジネスを拡大していくため、今年に入ってからブレード2台の購入で「c7000」が315円、「c3000」を210円で提供、タワー型サーバー「HP ProLiant ML 100」シリーズを搭載プロセッサによって2-5万円を割り引くなどといったキャンペーンの実施で「需要増の底上げを図る」としている。昨年度の体制強化や新製品発売に加えて、低価格戦略を引き続き進めることでシェア拡大を図っていく。■パートナーシップがカギ 昨年度の時点で同社は、ブレードのシェアとして「40%の達成」を1つの目標に据えていた。今年度に入ってからシェア目標を引き上げたのは、07年7-9月の台数シェアが33.3%とトップを獲得したためだ。「市場シェアは他社との競争があるだけに確実とはいえないが、40%はかなり現実的。今年度の早い段階で達成できる見込みが立ったので、一段と高い目標を掲げた」(エンタープライズストレージ・サーバ事業統括の松本芳武執行役員)という。橘本部長も、「高い目標ではあるが、決して達成できない数値ではない。今年末にはクリアできる」と自信をのぞかせる。 同社がシェア拡大に結びつけているのは、販売面で大企業と中小規模と領域を分けた2極化戦略を打ち出したことが大きな推進力になっている。各領域に適した製品の投入が功を奏しているわけだ。さらにシェアを伸ばせると断言しているのは、今年度に入ってから「ゼネラルビジネス統括本部」を設置して、ユーザー企業のニーズ収集や販売代理店の新規開拓などを順調に進めているという自信の現れだ。 同統括本部の設置により、現状の把握に力を注いだ結果、多くの販売代理店とのパートナーシップが薄れつつあることを認識できたことに加え、競合メーカーでも販売代理店とのパートナーシップが希薄になりつつあることを知った。そこで、対策として総合的な支援体制の整備などで既存販社とのパートナーシップを深めるとともに、販社の新規開拓で「x86サーバーをはじめ、さまざまな製品を組み合わせたソリューション展開が行えるようになるのではないか」と、ゼネラルビジネス統括本部の上原宏・統括本部長は分析する。 こうしたチャネル戦略が順調に進捗していることから、「国内x86市場で“悲願”の台数シェアNo.1を目指すことができる」(橘本部長)と断言しているのだ。日本HPのトップシェアが射程距離に入ったとなれば、上位シェアの他社が対抗戦略をとってくるのは必至だろう。
x86サーバーで国内No.1へ──日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が2008年度(08年10月期)の戦略として掲げた目標だ。同社は常にトップシェアを狙っているため、とくに目新しい戦略とはいえないが、ブレード型サーバー関連ビジネスが順調なだけに、実現は遠い将来ではないことを示唆している。果たして、どのような戦略でビジネスを拡大していくのだろうか。(佐相彰彦●取材/文)
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