NEC(遠藤信博社長)が法人向けパソコン(PC)事業の拡大に乗り出した。マイクロソフトのOS「Windows XP」から「Windows 7」に移行するニーズが高まりつつあると捉え、ユーザー企業が業務で使っているアプリケーションを含めた移行を支援するサービスを提供。販社に対するトレーニングや情報提供などを強化し、全国でサービス網を形成する方針だ。
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橋本欧二 統括マネージャー |
世界同時不況の煽りを受け、2009年は先行き不透明な市況感で法人市場が大幅に冷え込んだ。なかでも、クライアント端末の投資を抑制するユーザー企業が多く、PCメーカーが大きなダメージを被ったことは間違いない。
NECもPC事業で苦戦を強いられ、「PCその他」と区分する売上高は09年度(10年3月期)で4440億円(前年度比11.3%減)を見込む状況だ。
ただ、「新OSの『Windows 7』が市場に投入されたことと『Windows XP』のサポートが切れること、加えて昨年まで投資を抑えていたことによるPCの老朽化などが相まって、最近ではユーザー企業の間にPCのリプレース需要が出始めている」(橋本欧二・ビジネスPC事業部統括マネージャー)と、NECでは判断。10年度(11年3月期)から「Windows 7」の導入を促進するOS移行サービスの本格化を図ることになった。橋本統括マネージャーは、「リプレースの潜在需要は国内で400万台規模はある」と推定している。
移行支援を行うのは、「ユーザー企業の多くが『Windows 7』に移行した際、これまでのアプリケーションが使えなくなることに不安を抱いている」という事情があるためだ。そこで、ユーザー企業が独自に開発したアプリケーションの移行をサポートするほか、NEC製アプリケーションに対する情報提供などを強化。販社経由で全国にわたってサービス網を構築する。各地域の販社がユーザー企業に対して迅速に移行できる体制を敷くため、マイクロソフトとの連携で技術トレーニングを、今年4月から6月まで全国各地で実施する予定だ。
大企業向けには、NECの検証センター「PEC」を通じてOS移行サービスを提供。中規模企業向けには、NECネッツエスアイがコンサルティングを含めた「Windows 7」の導入支援サービスをメニュー化している。「NECグループで取り組んできた実績や経験を生かしていく」という狙いだ。厳しいといわれるPC販売を回復できるか否かは、このようなNECの支援強化により、販社の販売意欲が高まるかどうかにかかっている。(佐相彰彦)