BCN(奥田喜久男社長)は、システムインテグレータ(SIer)向けのSMB市場攻略セミナーVol.5「導入率30%のSMBに効くドアノック商材! クライアントOS移行期の今がチャンス!」を、3月9日に東京・神田で開催した。会場には170人以上の業界関係者が集まり、IT資産管理の必要性を訴える登壇者の解説に熱心に耳を傾けた。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
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ノークリサーチ 岩上由高 シニアアナリスト |
セミナーの冒頭、ノークリサーチの岩上由高シニアアナリストは、「運用管理/資産管理ツール活用の障壁はここにあった!」と題して、同社が行った調査をもとに、中小・中堅企業ではIT運用管理に関する認識が低い現在の状況を語った。岩上氏は、「中堅・中小企業でのIT運用管理は、専任担当者が不在だったり、非組織のかたちで行われることが多いので、自社運用型の運用管理システムパッケージの導入率はおよそ30%にとどまっている」として、中小・中堅企業にIT資産管理ツールを新たな観点から提案することの必要性を強調した。
導入率30%の壁を突破する糸口として、情報漏えい防止の観点から運用管理システムの必要性を訴えることに加え、運用管理システム自体の運用・管理に手間がかからないことの訴求、一般消費者の視点に立ってユーザビリティを訴求することを提案した。岩上シニアアナリストは、「IT資産管理ツールも、家電製品と同様に、ユーザー目線でアピールすることが効果的」としている。
導入や運用のしやすさを実現
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日立製作所 ゼネラルマーケット ビジネス統括本部 坂木博一主任 |
セミナーを共催した日立製作所は、中堅・中小企業向けのパッケージ製品として、パソコン用のセキュリティ管理・資産管理ツール「Hitachi IT Operations Director(ダイレクター)」を紹介した。このツールは、社内パソコンのセキュリティ管理とIT資産管理を、一つのパッケージで統合的に提供するもの。
Hitachi IT Operations Directorのマーケティングにあたってユーザー企業の声を分析した日立製作所ゼネラルマーケットビジネス統括本部の坂木博一主任は、「多くの中小・中堅企業は、IT資産管理に関するニーズが高いにもかかわらず、『IT管理の専門知識がない』とか、
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日立製作所 ソフトウェア事業部 販売推進部 後藤邦仁主任技師 |
『IT管理の専任者がいない』といった理由から、IT資産管理の導入をためらっていることが分かった」と説明。それらの課題を解決するために、Hitachi IT Operations Directorは導入や運用のしやすさを前面に出して開発したという。
同社ソフトウェア事業部販売推進部の後藤邦仁主任技師は、具体例を挙げながら、導入・運用のしやすさをアピールした。導入に関して、数回のクリックだけでインストール・セットアップが完了することに加え、セットアップを完了したらすぐに運用が開始できることを訴求。また、運用に関しても、セキュリティ状況や資産状況を一つの画面で確認できるなど、Hitachi IT Operations Directorの強みを訴求した。
販売活動にまい進
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ダイワボウ 情報システム 首都圏営業統括推進グループ 栗原誠係長 |
このセミナーでは、Hitachi IT Operations Directorを導入しているユーザー企業の担当者から、導入を決断した理由や、導入のメリットが紹介された。「情報漏えいの抑止は社内規則の整備だけでは不十分。物理的な対策が不可欠だと考えて、Hitachi IT Operations Directorを導入した。USBポートの閉塞やアクセスログの取得が簡単にできるので、大きな負担をかけずに、社内のセキュリティを強化することができた」と、“生の声”を紹介した。
同製品を販売するディストリビュータであるダイワボウ情報システムの首都圏営業統括推進グループの栗原誠係長は、「IT資産管理の導入率が低い、従業員500名以下の企業を主要ターゲットに据えて、簡単にインストールできることを前面に押し出して、販売活動にまい進する」と意気込みを示した。また、Hitachi IT Operations Directorを提案するにあたっての商材として、サーバー構築やセットアップ、ポリシー設定などを含めた「オールインワンパック」の提供を検討しているという。