その他
SAPジャパン モバイル分野に攻勢をかける 新機軸の商流開拓に着手
2011/05/19 21:07
週刊BCN 2011年05月16日vol.1382掲載
2010年7月、独SAPがモバイル関連製品に強みをもつ米Sybaseを買収したことは記憶に新しい。Sybaseの資産を活用して、モバイル分野での存在感を高めようとしている。それを受けて、SAPジャパンはモバイル分野の営業体制の整備やパートナーとの協業強化、開発者向けの支援策などを発表した。この発表を機に、モバイル・デバイス・マネジメント・ソフトウェア(MDM)「Afaria」とモバイル・アプリケーション開発基盤「Sybase Unwired Platform」(SUP)の本格的な提供に着手している。
独SAPが米Sybaseを買収した目的の一つは、モバイルビジネスのてこ入れである。ジェームス・シン ソリューション営業統括本部BA&T事業開発部工学博士部長は、「日本はERP(統合基幹業務システム)の売り上げ比率が高いが、米国では60%くらいがノンERPの売り上げで占められている。今後も成長していくためには、ERP以外の事業も重要になってくる」と説明する。阪尾素行・BA&T事業開発マネージャーは、「企業の間で、モバイル利用のニーズが高まりをみせている」と話し、モバイル分野を新たな収益の柱にしていきたい考えを示す。
このほど明らかにしたモバイルビジネスの強化策として、専任のモバイル事業推進チームを立ち上げた。「迅速に市場開拓に取り組んでいくために、垂直の業種軸ではなく、ソリューションを軸とする部隊を組織した」(阪尾マネージャー)。専任チームは6人ほどで構成し、従来の営業部隊と共同で提案活動を展開する体制を整備した。新組織で、「Afaria」と「Sybase Unwired Platform」の提案活動を進めている。
Sybaseの買収によってSAP傘下になったアイエニウェア・ソリューションズとは、「今は別の会社であるため、連携はしていない。SAP単独での営業活動となっている。連携については話を進めている」と、林幹人・ソリューション営業統括本部プラットフォームテクノロジー営業本部本部長は実情を話す。
提供にあたっては、SAPの営業部隊が提案活動を展開してパートナーであるSIerが実装を担当する従来型の協業形態のほか、スレートを販売している大手キャリアとの共同提案、クラウド・SaaSベンダーとの協業、中小ソフトハウスの取り込みなどを推進する。
SAPパートナー向けには、モバイルアプリケーション開発者育成プログラムを展開するほか、モバイル製品の導入から実装までに関するトレーニング、企業やパートナー向けの勉強会を定期的に開催する。
シン部長は「海外で先行しているのが韓国サムスンなどのメーカーとの協業。日本では、これから大手キャリアやメーカーと組んでいきたい」と意気込みをみせる。
ソフトハウスとの協業に向けては、「すでに90社くらいに声をかけている。年内には、これを1400社までに拡大したい」(林本部長)意向だ。岐阜県大垣市にある中部圏のIT拠点であるソフトピアジャパンなど、地方で新しい産業としてモバイルビジネスが盛り上がりつつあるとみて、ソフトハウスの取り込みを急ぐ。モバイル分野でSAPの攻勢が始まった。(信澤健太)
2010年7月、独SAPがモバイル関連製品に強みをもつ米Sybaseを買収したことは記憶に新しい。Sybaseの資産を活用して、モバイル分野での存在感を高めようとしている。それを受けて、SAPジャパンはモバイル分野の営業体制の整備やパートナーとの協業強化、開発者向けの支援策などを発表した。この発表を機に、モバイル・デバイス・マネジメント・ソフトウェア(MDM)「Afaria」とモバイル・アプリケーション開発基盤「Sybase Unwired Platform」(SUP)の本格的な提供に着手している。
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