ドクターシーラボ
会社概要:1999年2月設立。アクアコラーゲンゲルをはじめ、スキンケア6商品の通信販売を開始。現在、化粧品・健康食品・美容機器などの企画・開発・製造販売を手がける。2011年7月期の売上高は362億3323万円。
サービス提供会社:ゆめみ
プロダクト名:「Sprocket」
「Sprocket」によるビンゴゲームの画面

ドクターシーラボ
西井敏恭グループ長 ドクターシーラボは、1999年2月の設立。現役の医師が開発した化粧品である「メディカルコスメ」を販売している。ロングヒット商品である「アクアコラーゲンゲル」は、2011年6月に累計販売個数2000万個を突破した。主要販路の通信販売に加えて、卸売販売、対面販売などを手がけている。
同社は、ファンの育成や顧客同士の交流に力を入れており、例えば、自社ショッピングサイト内にクチコミの投稿・閲覧ができるコンテンツを設けている。西井敏恭・マーケティング部eコマースグループグループ長は、「お客様にはただ商品を選んでもらうのではなく、お客様同士、あるいは当社とのコミュニケーションを大切にしている」と話す。
顧客を飽きさせないために、ウェブサイトのコンテンツの提供方法について試行錯誤を繰り返すなかで、昨年11月に始めたのが「肌ポリー」というゲームだった。ゲームデザインの技術やメカニズムを他分野に応用するゲーミフィケーションを活用している。
「肌ポリー」は、無料ウェブサイト上のすごろくゲームだ。1日に1回参加し、1週間以内のゴールインを目指す。サイコロの出た目だけ自動的に進み、マスに止まる。ゲーム終了後に1度スタンプを押し、スタンプを7個貯めるとアイテムが付与される。ゲーム完了画面から商品を購入することを通じても、購入金額に応じたアイテムがもらえる。無事ゴールインすれば、購入時に使用できるシーポイントを獲得できる。重要なのは、アイテムは実際に販売している商品なので、ゲームを有利に進めるだけでなく、商品の理解も深めることができるという点だ。
西井グループ長は、「おもしろそうと思って『肌ポリー』を始めたら、かなりリピーターが増えた。後になって『肌ポリー』はゲーミフィケーションだといわれて、そういう用語があることを知った」と語る。念頭に置いていたのは、ウェブサイトのユーザーが商品について容易に興味をもつようなコンテンツを提供することだった。
今年6月、新たに導入した「Sprocket」もゲーミフィケーションを活用している。ゆめみが売り出したサービスだ。ウェブサイト上のユーザーの行動情報を記録・蓄積し、分析することで活性化の状況を把握できる。「異なる視点で継続的にユーザーが訪問してくれる仕組みをつくりたいと考えていた。ゆめみの深田(浩嗣社長)さんと話す機会があって、導入を決めた」(西井グループ長)という。
プレイサイクルデザインとして、ビンゴゲームを採用した。「げるんちゃん探偵のクエストビンゴ」である。サイト内でのユーザーの行動に応じてビンゴが進行する。複数パターンのビンゴを用意し、どれがユーザーの行動を促進するかを分析できる。ビンゴゲームは二つあって、9マスに書かれていたり、メールマガジンなどに埋め込まれたりしているヒントを頼りに、ウェブサイト上のどこかに隠されている“足跡”ボタンを捜す。ビンゴのマスを埋めて列を揃えると、特典が受けられるという仕掛けだ。
西井グループ長は、「一つ目では、ヒントを参考に探した商品ページで“足跡”ボタンをクリックするだけ。二つ目では、商品をみつけて購入したら“足跡”ボタンが表示される」と話す。広告臭さがなく、ゲーム感覚で同社の姿勢や未購入の商品について伝えることができるという。ただ、「多くのユーザーにとって、二つ目のハードルがとても高いので、もう一枚、チュートリアル(使い方の説明)を挟むことを考えている」そうである。(信澤健太)
3つのpoint
・ゲーミフィケーションの活用
・リピーターの増加
・ユーザーが商品について興味を抱く