NTTデータ経営研究所
産業コンサルティング本部
HRグループマネージャー
金井恭太郎
データで読める実態
日本企業の人事部門は、法制度や労務管理などのオペレーションにフォーカスし、経営戦略をブレークダウンすることに乏しかった。製造業を例に挙げれば、人材の育成は現場に任せていて、人事主導かというと怪しい。戦略的な人材育成は日本企業が弱みとしてきたことだ。グローバル環境では、海外拠点に対する人事的関与は非常に薄い。最近は人事主導の傾向が強まっているが、歴史的にはそうではなかった。
日系グローバル企業(日本企業)は、外資系日本法人に比べて国際化施策の全カテゴリで実施率が20ポイント以上低い。加えて、グローバルキャリア形成に向けて自社環境が望ましいと回答した割合が30ポイント強、下回る。法制度などのハード面と人材育成などのソフト面で、想像以上に外資系のほうが進んでいる実態が明らかになった。調査を通じて、三つの視点を提示している。「本社のグローバル化が遅れている」「役職の階層が上になればなるほどグローバル化の必要性は認識している」「優秀な人はグローバル化された環境で働きたいと思っている」。社員の志向や求められていることに対して、人事部門が行う施策が遅れていることがわかった。
注目すべき動向
タレントマネジメントのテーマは大きく二つある。グローバルに人材プールをつくってグローバルヘッドクオーターのCEOを育成するか、あるいは現地化するなかで拠点ごとに本社主導で最適な人材を育てるか。多くの外資系企業の場合は、投資対象が上位レイヤーに集中し、一概にはいえないが、トップダウンのリーダーシップが強い。対して日本企業は、“経営者は育っていくもの”として、ミドル以下にカネをかける傾向が顕著にみられる。極めてボトムアップで、経営者は意思決定するというより、現場から上がってきた事柄を承認する役割を担っている。
日本市場は世界第3位の規模と大きいが、相対的に縮小し、海外の重要性が増している。そうしたなかで、当然ながら海外拠点のガバナンスや連携の強化が必要となっている。現地をマネジメントするには、製造だけでなく販売を含めたバリューチェーンを構築できる人材が強く求められる。どのような手段で人材を採用し育成するかを考えるうえで、社員一人ひとりの能力をきちんと把握するための「日本発タレントマネジメント」の必要性が高まっている。
見逃したらソン! 最新データ
▼シード・プランニング調べ『遠隔会議システムの市場規模と販売ルート調査』
2011年の遠隔会議システムの市場規模は400億円。2016年には690億円市場に成長すると予測する。一番伸び率が大きいのはウェブ会議で、2016年には2011年の3.2倍となる見込み。上位3社は代理店販売比率が100%。上位3社以外は直販にも力を入れている。
▼ICT総研調べ『法人のiPhone5需要動向調査』
法人の46.5%がiPhone 5導入を検討しており、うち導入確定企業は7.3%。現在iPhone未導入の法人の選択意向は、auが51.1%と過半数を占めた。スマートデバイスの法人向け出荷台数は、2012年度に242万台、2016年度には530万台にまで拡大する見込み。