有力SIerのシーエーシー(CAC)が海外ビジネスの「成功への道」として選んだ手法は、「グローバルデリバリーモデル」の構築である。このビジネスモデルは、製造業のように販売対象となる市場と製造拠点を区分して捉えて、世界の適材適所で販売や製造を分担する手法だ。情報サービス業ではIBMやAccentureなど世界のトップベンダーはすでに構築しているが、日系SIerではNTTデータなどごく一部に限られている。

酒匂明彦 社長 CACは、中国とインドをソフトウェア開発の製造やBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)の拠点と位置づけ、日本や欧米市場向けのシステム販売に取り組んでいる。課題はどのようにして海外の案件を獲得していくかということだが、同社ではターゲットを金融や医薬などの業界に絞ることで受注につなげた。海外売り上げの比率が高い業種では、「システム提案書を英語で出してほしいという要望や、システムの各国語対応の要求も珍しくなくない」(酒匂明彦社長)と、業者選定の段階からグローバル対応を前提に商談が進むケースが増えている。
ユーザーが世界の主要ベンダーから英語による提案を募るということは、応募する側にとってはグローバルデリバリーモデルを構築しているベンダーと競争になることを意味している。コストがかさむ国内でソフトウェアの製造工程やBPOを手がけていては競争に不利となるのは明らかなので、CACは業界に先駆けてグローバルデリバリーモデルの道を選んだのだ。(安藤章司)