BCN(佐藤敏明社長)は、5月31日、大阪のIT産業事情とセキュリティを題材にしたITベンダー向けビジネスセミナーを大阪・梅田で開催した。経済産業省やIDC Japan、セキュリティベンダーのトリップワイヤ・ジャパンとNTTデータ先端技術から講師を招き、四つのセッションで構成。会場には約80人のITベンダー関係者が集まった。
経産省が大阪のIT事情を解説
今回のセミナーは、大阪のITマーケットの状況を説明した後、安定的な需要があるセキュリティ分野の市場動向と、ユーザーの関心が高いセキュリティ製品を紹介する内容。関西圏でITビジネスを手がける企業のビジネス支援を目的に開催した。
合計4セッション、3時間の内容で、まず大阪のIT産業動向について、経済産業省の近畿経済産業局地域経済部に所属する山口洋・情報政策課課長が解説した。山口課長は、「大阪のITベンダーは、関東圏のユーザーとの取引が少ない。また製造業に向けたソフト開発やシステム構築の仕事が全国の水準よりも高い」と説明。そのうえで、経産省が推進している主な施策として、「クラウド、次世代スマートデバイスの開発、サイバー攻撃対策に力を注いでいる」と話した。サイバー攻撃対策については、特定の企業・団体を狙う「標的型攻撃」の被害件数が増加していることを危惧しており、「政府としても対策を打たなければならない分野」として防御技術の研究・開発を進めていることを明かした。

(写真左)経済産業省近畿経済産業局の山口洋課長。大阪のIT産業事情について語った
(写真右)IDC Japanの登坂恒夫リサーチマネージャーはセキュリティ市場の見通しを説明した3社がセキュリティの現状を解説
セキュリティ関連の内容では、まず調査会社のIDC Japanが市場動向を分析し、次いでNTTデータ先端技術が最新の不正プログラムや手法、対策を解説。そしてトリップワイヤ・ジャパンが、システムの改ざん検知ソリューションを紹介した。
IDC Japanの登坂恒夫ソフトウェア&セキュリティリサーチマネージャーは、セキュリティ関連のハード・ソフト、サービスすべての国内市場規模が2015年まで前年を超える水準になることを、実数値を交えながら解説し、「モビリティ、クラウド、ビッグデータ、ソーシャルメディアに向けたセキュリテ対策が大切になる。IDC Japanでは、現在実施しているセキュリティ対策の棚卸しと、従業員に対するセキュリティの教育をより強化することが必要だと考えている」との見解を示した。
NTTデータ先端技術の宮坂肇・セキュリティ事業部セキュリティソリューションビジネスユニット長は、最新のセキュリティ脅威について説明し、標的型攻撃・ボットネット・リスト型アカウントハッキングの最新の手法を米国の事例を交えながら説明し、防御方法についてもふれた。「不正プログラム・アクセスは今後も進化する。それに合わせて対策方法も変えていかなければならないが、100%防ぐことができないという考えをもつことも必要。万が一、不正アクセスを許してしまった時に備えて、被害を最小限にするソリューションもあわせて導入する必要がある」とした。
トリップワイヤ・ジャパンの菊地浩一・技術サービス部マネージャーは、「外部からの不正なアクセスによってシステムが正常に機能しなくなったり、データが漏えいしたりするケースがいまだに多い」と説明。そして、NTTデータ先端技術の宮坂ビジネスユニット長と同様に万が一の事態に備えた対策の必要性を訴え、ウイルス対策やファイアウォールの導入だけでなく「システムが正常に稼働しているかを常時監視するソリューションも必要だ」として、トリップワイヤの改ざん検知ソリューション「Tripwire Enterprise 8.2」の利用価値や特徴を話した。

(写真左)「不正侵入があった時に備える対策も必要」とNTTデータ先端技術の宮坂肇ビジネスユニット長
(写真右)「Tripwire Enterprise 8.2」を紹介するトリップワイヤの菊地浩一マネージャー