サイオステクノロジー(サイオス、喜多伸夫社長)は、10月9日、都内のホテルで「サイオス パートナーカンファレンス 2015」を開催した。イベントでは、さらにITが「インテリジェンス」を志向していくという流れに対するサイオスの戦略が示されるとともに、高可用性を実現する製品の最新事情、OSSによるマイナンバーのセキュリティへの貢献などをテーマに講演が行われた。(取材・文/小池晃臣(フリージャーナリスト))
ITにインテリジェンスを
カンファレンスの幕を切る挨拶とキーノートセッションにも登壇した喜多社長は、サイオスが今年2月に発表した機械学習機能を搭載した世界初のITオペレーション分析ツール「SIOS iQ」について言及した。これまでITの役割は業務の自動化にあったが、これからはインテリジェンスを加えることで、データセンターや企業のもつシステム自体が、問題を早期に発見してすみやかに対処するようになり、結果的に生産性が向上するという「新たなITの使命を体現したのが、SIOS iQだ」とアピールした。
また、野田勝彦・SIOS iQ事業企画部長はSIOS iQの三つのコア技術を紹介するとともに、今後の製品プランや将来像について触れ、「今後は性能分析だけでなく、信頼性分析や効率性分析、キャパシティ分析にも対応していく」との展望を示した。
次に、御舩洋・BC事業企画部長が今年9月にメジャーバージョンアップを実施したHAクラスタ製品「LifeKeeper」について、DevOpsの思想をいかに取り入れたかを解説した。その後、喜多社長とOSS事業企画部の面和毅氏が、サイオスのもう一つのコアビジネスであるOSSに関して、マイナンバーのセキュリティ対策への有効性を中心に紹介した。喜多社長は、「エンドユーザーの課題解決を考えるとき、OSSを一つの選択肢にすることは非常に重要」と訴えた。
また、セッションの最後には今年のトピックスとして、新たにサイオスグループに参加した2社を紹介。Profit Cubeの近藤進一代表取締役と、キーポート・ソリューションズの森田昇社長が挨拶を行った。
9社がアワードを受賞
イベントでは、「サイオス パートナーアワード 2015」の授賞式があわせて実施された。今回は計9社が選出され、各社の代表者が表彰を受けた。
ディストリビュータを対象とした、「Best Dietribution Partner」を受賞した大塚商会の塩川公男・ビジネスパートナー事業部取締役兼上席常務執行役員は、「昨年に続いて今年も受賞できたのは、販売店の皆様に尽力いただいたおかげ。現在の旬なテーマは『マイナンバー』だが、年末に向けてさらに注力していきたい」との考えを示した。
「Best Solution Partner」を受賞したリコージャパンの池田晴彦・ビジネスソリューションズ本部取締役執行役員本部長は、「全国の支社へのサポートをサイオスがきめ細かく行ってくれたので、これだけの成果が出せた。来年も受賞できるよう引き続き頑張っていきたい」と意気込んだ。

(左から)リコージャパン 池田晴彦 取締役執行役員本部長
大塚商会 塩川公男 上席常務執行役員 「Best SI Partner」のNTTデータは、岡秀樹・技術革新統括本部基盤システム事業本部システム方式技術事業部第三技術統括部統括部長が登壇。「品質に厳しい顧客のサポートでも常に満足のいく回答が得られることにとても感謝している」と喜びの声を語った。
会場には、多くの販売パートナーが集まった。イベント終了後の懇親会では、販売パートナー同士が顧客の課題解決に向けた最新事情について意見を交わす場面が目立った。

(左から)サイオステクノロジー 喜多伸夫 社長
NTTデータ 岡秀樹 統括部長